「かぐや」アポロ15号の噴射跡を確認 | RBB TODAY

「かぐや」アポロ15号の噴射跡を確認

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アポロ15号の着陸地点付近の地形カメラの立体視画像:雨の海を取り囲むアペニン山脈の麓、ハドレー谷(北緯26度07分 東経3度38分)。ハドレー谷は、全長80km、深さ300mの蛇行谷
アポロ15号の着陸地点付近の地形カメラの立体視画像:雨の海を取り囲むアペニン山脈の麓、ハドレー谷(北緯26度07分 東経3度38分)。ハドレー谷は、全長80km、深さ300mの蛇行谷 全 8 枚
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 20日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、月周回衛星「かぐや」に搭載している地形カメラの画像からアポロ15号の噴射によって生じた痕跡と考えられるものを確認したと発表した。

 噴射跡は「ハロー」と呼ばれ、画像では白っぽく写っている部分となる。白く見えるのは、諸説あるそうだが、一般には月面の「海」と呼ばれる部分の表面の黒く細かい粒子状の砂が噴射によって吹き飛ばされ下の層が見えているのではないかといわれている。アポロ15号は、アペニン山脈の麓にあるハドレー谷の成因を調べるためにこの谷に着陸し、長期の観測・調査を行っている。アポロ計画終了後に、その痕跡などが確認されたのは世界初となる。

 また、この谷周辺の地形カメラのデータから立体視画像を作成し、実際のアポロ15号の飛行士が撮影した写真と同じ視点のものを比較し、地形カメラの観測制度が高いことも確認された。

 なお、JAXA広報に「かぐや」搭載のハイビジョンカメラで同じ地点の詳細な撮影は可能か、予定はあるかと質問したところ、その可能性と予定については今後検討していくことになると答えてくれた。ただし、ハイビジョンカメラでの撮影で、噴射跡などを確認するためには現在のかぐやの高度では困難なため、ミッションのかなり後期になって、衛星の高度が下がってからの実施になるだろうと付け加えてくれた。

《中尾真二》

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