産総研、薄くてフレキシブルな葉っぱ型の次世代太陽電池モジュールを試作
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有機薄膜太陽電池は、従来のシリコン系太陽電池と違い軽くて柔らかいといった特徴のほか、鮮やかな色彩を持たせることができ、従来のシリコン系太陽電池では難しいデザインが重視される用途、すなわち壁や窓向けの建材、衣料・生活用品、レジャー・アウトドア用品、玩具といった分野への普及が見込まれている。
有機薄膜太陽電池の鮮やかな緑色の色彩を生かし、観葉植物をイメージした葉っぱ型となっており、プラスチック基板と封止膜の応用により、薄くてフレキシブルな大面積・高耐久性なモジュールを実現したとのこと。葉っぱ一枚に約7.5平方cmの太陽電池セルが8個直列に接続されており、約60平方cmの大面積の太陽電池モジュールになっている。このモジュールを極薄膜の保護膜により封止し、劣化の原因となる水・酸素の侵入を防ぎ耐久性を向上させ、フレキシブル・カラフル・軽量という画期的な太陽電池モジュールになった。
これまで有機薄膜太陽電池は長く研究されてきたが、近年、サッカーボール型の分子構造を持つフラーレン(C60)が優れたn型半導体特性を示すことが明らかになり、この新材料を適用することによりブレークスルーが起こっていた。産総研では、有機薄膜太陽電池の基本構造であるp-n接合の間に、共蒸着で形成したバルクへテロ層(i層)を導入することにより、フタロシアニン−フラーレン系で世界最高レベルの変換効率を達成する研究成果を上げてきたという。
産総研がデバイス構造の研究を、トッキが製造装置のコア技術の開発ならびにモジュールの製作を行い、三菱商事が研究開発に関する投資とマーケティングを担当。なお、この試作品は、G8環境大臣会合関連の展示会である「環境フェア in KOBE」(5月23日〜26日@神戸市立体育館)に出展される予定だ。
《冨岡晶》
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