【ノートPC新モデルレポート Vol.1】ポータブルなホームシアターPCで市場に切り込む——日本エイサー代表取締役ボブ・セン氏
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●世界のシェアは10%。30年の歴史を持つ老舗メーカー
——まず、エイサーという会社について簡単に教えてください
【セン社長】エイサーというブランドはまだそれほど浸透していないかもしれませんが、PCメーカーとしては30年の歴史があります。PC製品を世界的に展開していて、日本でもデスクトップPC、ノートPC、そして液晶パネルの3つを中心に販売を行なっています。
——シェアはどれくらいですか?
【セン社長】ワールドワイドでいうと10%くらい。約1割のPCを出荷していることになりますね。今のところ40数カ国でPCを販売していますが、特にイタリアでのシェアはナンバーワン。もちろん、アジア各国でも高いシェアを持っています。
——エイサーという社名の由来は?
【セン社長】イロハモミジ(Acer palmatum)という植物の名前です。特徴としては、非常に丈夫で長生き、そして特定地域でしか育たない木ではなく、ワールドワイドに広がっている点が挙げられます。弊社も同じ願いを込めて名付けられました。沖縄の踊りのエイサーではありません(笑)。
——社長は、日本語がとても上手ですが
【セン社長】 日本に来て18年。日本の大学でも勉強しましたし、短い年数ですが日系企業でも仕事の経験をさせていただきました。日本で事業を展開していくには、やはりそのカルチャーを勉強しないといけないと思ってます。いろいろ勉強したつもりですが、まだまだですね。
●ホームシアターPC「Aspire 6920」の投入が起爆剤となるか!?
——その日本のPC市場に関して、エイサーではどのような戦略でシェアの拡大を狙っていますか?
【セン社長】日本は巨大なマーケット。多くのメーカーがひしめき合っていますが、その中に外国ブランドが入っていくためには、より大きな差別化ができなければいけないと思います。弊社の基本的な商品コンセプトは、「エンドユーザーに、価格を抑えてより高品質なものを提供する」ということ。たとえば国内メーカーでは25万円以上の価格帯となるノートパソコンですが、弊社ではAspireというブランドを低価格で出しています。コストパフォーマンスを含めたトータルの性能でシェアを拡大したいと思います。
——そのAspireシリーズですが、春に「Aspire 6920」を発売しましたよね。どんな点が特徴なのかお聞かせください。
【セン社長】6920シリーズをひと言で表現すると、ポータブルなホームシアターPCと言えるでしょう。その特徴として、ドルビーの技術「Dolby Home Theater」を採用し、臨場感のあふれるサウンドを奏でることができます。
——2.1chのスピーカーで、ヴァーチャル5.1chサウンド再生ができるという機能ですね。ノートPCにはオーバースペックなほどですよ。
【セン社長】画面にも注目してもらいたいのですが、ノートPCとしては世界初となる16:9の画面比率。最近の大型テレビと同じなんです。フルスクリーンでいろいろな映像を楽しんでもらえる製品になっています。
——どんな人に使ってもらいたいですか?
【セン社長】自分の部屋でいろいろな映像をたっぷり楽しみたい人に。また、画面が大きいのでデスクトップの代替として使えます。動画処理などもこなせますし、家の中で使ってもらえる機能がたくさん詰まっているので、気軽に使いこなしてもらいたいですね。価格設定も安くしているので、より多くのユーザーに使ってもらえると信じています。
●さまざまなジャンルでコラボレート
——先ほど、イタリアでのシェアがナンバーワンという話が出ていましたが、フェラーリとのコラボレーションPCなども手がけていますよね。
【セン社長】実は弊社は、数年前からフェラーリのオフィシャルスポンサーになってます。それ以前からPCの提供などはしていたのですが。イタリアは歴史があり、デザインや食の分野でも非常に優れた国。フェラーリとのコラボレーションPCは、お互いの技術を合わせた結果です。
——車メーカーと関わりがある製品は他にもあるんですか?
Aspireシリーズのデザインは、BMWに所属しているデザインハウスが担当してます。意外とパソコンと車には共通するものがあって、各メーカーといろいろなコラボレーションをこれからもしていこうと考えています。
——車とPC、どこが似ていると思いますか?
【セン社長】たとえばF1といえば、レーシング車の中でもテクノロジーが最も凝縮していますよね。弊社のPCも最新のテクノロジーを取り込んでいますし、スピードや高性能といった点がマッチングしていると思います。
——そういった要素を取り入れつつ、価格でも努力するというわけですね。
【セン社長】リーズナブルに品質の高い製品を提供するというのが基本。安かろう悪かろうではなく、本当に価値のある製品を、コストパフォーマンスという部分でユーザーの声を取り込みながら商品に反映していきたいと思います。もちろん、それぞれの国に合わせてローカライズはしていきますが。
——オリンピックのスポンサーも決定されているそうですね。
北京オリンピック以降、2010年のバンクーバー、2012年のロンドンのオリンピックでは、オフィシャルスポンサーとしても登録されています。オリンピックだけでなくいろいろなスポーツも応援していますので、ぜひこれからも注目していてください。
《RBB TODAY》
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