【Interop Tokyo 2008 Vol.4】地球を光ファイバーのじゅうたんに——村井純氏
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
●地球を光ファイバーのじゅうたんに
同氏が「極論の話として」として語ったのが、「首都圏は光のじゅうたんだ」というものだ。今のところどこを掘っても光ファイバーが出てくるわけではないが、この光のじゅうたんを誰でも通信ができるようになると「ものすごく効率が良くなり、iDCやIXの考え方が変わってくる。IXやiDCがどこにあるのかは気にしなくてもいいようになる」と示した。
このような考えが進んでいるのは、「特に日本とヨーロッパ。ヨーロッパは全土でできないかという研究開発が進んでいる。これが地球を包むとなると課題が出てくるが、これを前提にするとできる技術だ」と述べた。
このように地球規模でインターネットを考えると、「どうしても太平洋と大西洋が大きい」と示したのが、全世界のトラフィックを示した地図だ。しかし、「北極から見ると太平洋と大西洋にはたくさんあるが、その間をつなぐ物がないという状況。本当に地球を包むネットワークを作れないだろうか」とする。
この地球を包むネットワークを作るときに、「日本にとって大事なところはどこか」という疑問がある。「インターネットにつながって日本とリアルタイムで仕事や大学の授業が受けられるのはどこか」を考えればその答えが導ける。具体的には、時差が6時間〜5時間前後で、ハワイから中東がそれに当たるとしている。
●FTTHの主人公はテレビに
日本は、FTTH回線が1,000万契約を超え「世界一、高速のブロードバンド環境がきている国」とするほどだ。
この家庭のトラフィックの状況を見ると、「夜は使っている、昼は使っていないという当たり前の動きがある。この当たり前の動きは、FTTHを使っている人は、P2Pのファイル交換をしているという仮説を覆した」とする。グラフでは、コンスタントに半分くらいのトラフィックが発生しており、P2Pによるファイル交換や共有も含まれていると思われるが、「ブロードバンドのトラフィックは人間が使っている。これには息吹を感じる」との意見を述べた。
このように人間が使うトラフィックが多くなると、「予想を付けるのが難しい」という課題が出てくる。そんな中あげたのがテレビの存在だ。
「テレビがインターネットにつながり、主人公が変わってきている。テレビは最高のディスプレイと音響がある。情報機器の主軸は、ホームサーバーかなと議論されてきたが、テレビが一番怪しい」とする。最近のテレビは、各VoDサービスに対応しているが、問題はそのトラフィックだ。標準画質で3Mbps、ハイビジョン画質で9Mbpsのビットレートとなりトラフィックの増大が心配される。
《安達崇徳》
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