映像がなくても“選手や審判の視点”が可能に〜KDDI研究所、「自由視点映像VODシステム」を開発
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“自由視点映像”とは、複数のカメラで情景を撮影し、実際にはカメラで撮影していない視点などの任意な視点の映像を合成する技術。通常はビデオカメラが設置できないような視点、たとえば「相撲の行司の視点」や「サッカー選手の視点」を視聴者が選択できるようになる。さらに、視聴者自身がサッカー選手になったかのように、選手の間で動き回るような躍動感のある映像(ウォークスルー映像)表現も可能となるとのこと。
KDDI研究所では、独自技術である広い空間の分割とその映像合成を最適に組み合わせた「シリンダー空間分割法」と伝送技術を組み合わせて、ネットワーク経由で自由視点映像を再生するシステムを世界に先駆けて開発したとのこと。映像サーバ(VODサーバ)と映像受信・再生ソフト(VODクライアント)を組み合わせて利用する形となっており、サーバには自由視点映像を保存しておき、再生端末から指定された視点と開始時刻にしたがい、自由視点映像を画像化した上で、ネットワーク経由で配信する。
これにより、遠隔地にある映像サーバに格納された映像を好きな視点から視聴するVOD(ビデオ・オン・デマンド)サービスを受けられることとなる。映像合成はサーバ側で行い、モーションJPEG画像として配信するため、再生端末には特別な画像合成機能は必要ないとのこと。
今後は、広域ネットワーク経由での実証試験を行い、品質やユーザビリティ等の試験データを取得し、次世代IPTVとして通信網を利用した新しい映像サービスとして実用化を目指す予定だ。また、超臨場感コミュニケーションの観点から、自由視点映像を応用した3次元映像表現に関しても独立行政法人情報通信研究機構(NICT)/国際電気通信基礎技術研究所(ATR)と協力して評価を進めていきたいとしている。
《冨岡晶》
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