「iBurstは使いやすい技術」——タンザニアの大統領が京セラでiBurstを体験
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
●iBurstは使いやすい技術
京セラのショールームにてiBurstのデモンストレーションを体験した大統領は担当者に、「1つのアンテナでカバーするのが5kmだと、国内に数十万か所もアンテナを設置しないといけないから、数十kmくらいカバーできるようにしてほしい」「セキュリティは大丈夫なのか」といった要望や質問をした。また、iBurstの特徴であるQoSを活かしたIP電話も試し、最後に「使いやすい技術だと思った」と感想を述べた。
●iBurstは世界17か国で展開中
京セラの情報通信システム機器統括部 海外営業部 開発営業課責任者の土屋剛氏は、iBurstはすでに17か国でサービスが始まっており、2008年中には9か国が増える予定だと紹介。「商談中の国は日本を含めて20か国以上ある。この中にはすでに周波数ライセンスを獲得している国もあるので、さらに進んでいくのではないか」と期待を寄せる。
具体的には、2004年3月にオーストラリアで初めてのサービスが開始。2006年には南アフリカ、2006年にはガーナ、ケニア、ノルウェーなど、2007年にはアメリカ、タンザニア、マレーシアで始まった。
特徴的なのは、Wireles Business Solutions(WBS)がサービスを提供する南アフリカ。当初は、主要4都市だったが17都市にまで拡大している。「iBurstのビジネスモデルとしては成功例。これを受けWBSグループが南アフリカの例をもとにアフリカ諸国に展開した」という。
アメリカでのサービスも興味深い。Redwood Wirelessがサウスダコタ州スー・フォールズ市でサービスを提供。ここでは、警察や消防などのネットワークとして活用しており、セキュリティの高さをアピールしている。
このような実績から、2005年9月にはアメリカの標準化団体であるANSIにて「HC-SDMA」、2007年3月にはITUにて「ITU-R M.1801」、2008年6月にはIEEEにて「IEEE 802.20 625k-MC」としてそれぞれ標準技術と認定された。なお、HC-SDMAとITU-R M.1801よりもあとに承認されたIEEE 802.20 625k-MCには、変調方式や暗号化、マルチキャストなどを追加しているが、互換性は保たれている。
日本でのiBurstのサービスは、アイピーモバイルが取得したものの自己破産により返上した2GHz帯(2,010MHz〜2,025MHz:帯域幅15MHz)での展開を目指している。5月末に総務省に対してインテル、クアルコム、京セラ、イー・アクセスが、WiMAX(IEEE 802.16)、iBurst(IEEE 802.20 625k-MC)、次世代PHS、LTE TDD、UMB TDDの5つの技術を提案した。現在は意見公募の最中で、8月下旬には割当方針の公表、9月上旬には事業者免許の募集、12月中旬には事業者免許が交付される見込みだ。
《安達崇徳》
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