NHKオンデマンドには、「特選ライブラリー」と「見逃し番組」の2つのサービスがある。
特選ライブラリーは、過去のドラマやドキュメンタリーがオンデマンドで楽しめるサービスで、1パッケージあたり105円から315円。具体的には、大河ドラマ、NHKスペシャル、「プロジェクトX」などをラインナップする。
見逃し番組は、ほかのVODにはないNHKオンデマンドならではのサービス。NHK総合、教育、BS1、BS2、BS-hiで放送した番組のうち、一部を24時間以内にオンデマンドで配信する。ニュースや「プロフェッショナル 仕事の流儀」、「その時 歴史が動いた」、大河ドラマ「天地人」、「連続テレビ小説 だんだん」などが楽しめる。見逃し番組は、1パッケージあたり105円から315円を支払う従量課金のほかに、月額1,470円の定額料金も設定されている。
NHKオンデマンドではPC向けのほか、CATVのJ:COMや、IPTVサービスのアクトビラとひかりTVでも配信する。IPTV向けの配信はすべてハイビジョン品質で、特選ライブラリーはマスターが標準画質のこともあるがアップコンバートを行い送出する。
しかしPC向けのサービスは、ビットレートは1.5Mbpsまたは756kbpsで、IPTV向けのサービスと比べると画質が落ちる。最新のPCなら問題ないだろうが、一昔前のPCだとどうしてもHD品質の動画を再生するには処理速度が足りないという判断からだ。またPC程度の画面の大きさなら、ハイビジョン画質は必要ないという理由もある。映像のフォーマットは、DRM付きのWindows Media Video方式のためWindowsのみの対応となる。支払い方法は、開始当初はクレジットカードのみだが、後日、ヤフーの「Yahoo!ウォレット」にも対応する予定だ。担当者によると、ほかのポータルサイトやISP決済については、ニーズやコストを見ながら検討を進めるとする。
特選ライブラリーは、これまでのVODサービスと同じため理解されやすい。しかし、担当者によると見逃し番組は、これまでにはないサービス形態のため理解されにくいという。担当者は、「実際に使っていただけるとその良さがわかっていただけるのではないか」とする。