J:COM、6期連続の増収で利益は過去最高
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ケーブルテレビは255.7万契約(36.9万契約増)でそのうち200万契約がデジタルサービス、インターネット接続は148.7万契約(27.5万契約増)、固定電話は157万契約(25.7万契約増)となっている。営業収益の内訳は、ケーブルテレビが1,344億円(9%増)、インターネット接続サービスは735億円(10%増)、固定電話は439億円(9%増)だ。
2008年12月期の実績では、CATV局の買収が大きい。関東と関西地区で5社のCATV事業者を買収。関西地区のエリアは、これまでの大阪府、兵庫県、和歌山県に京都府が加わった。これにより関西の2府2県のCATVにおける多チャンネルサービスの契約世帯のうち70%のシェアを獲得した。関東では、1都5県で50%のシェアだ。「買収したいずれのCATV局も、J:COMのエリアに隣接しており、シナジー効果があるM&A」としている。
インターネット接続サービスでは、最大160Mbpsの「J:COM NET ウルトラ 160Mコース」を開始。2008年12月末現在で10万世帯を超える契約があり「加入世帯数は計画を上回るペース」だとしている。さらに、多チャンネルサービスでは、HDDを内蔵したSTB「HDR」を展開。2008年12月には、HDDを500Gバイトに増やし、DVDのダビング機能を追加した「HDRプラス」のレンタルを開始した。こちらも好調で40万の契約がある。
コンテンツの充実も図り、テレビサービスでは「チャンネル銀河」を追加。一部のチャンネルをハイビジョン化し、VODサービスでは「NHKオンデマンド」を開始した。
これらの施策が実り、ホームパス世帯数(エリア内世帯数)は1,224万世帯(30%増)、総加入世帯数は317万世帯(19%増)となった。さらに、2008年12月期通期のARPUは7,789円(102円増)で、加入世帯とARPUの両方を増やすことに成功し、大幅な増収増益となった。
2009年12月期における重点施策は、「買収局のJ:COM化」「デジタル総合対策プロジェクトの推進」「テレビサービスの拡充」「アフターフォロー体制の強化」「コンテンツの質の向上」の5つをあげる。
そのうち、買収局のJ:COM化は、「持続的な成長のためには、買収したCATV局のARPUをJ:COMの水準に引き上げることが必要」とする。J:COMの既存局におけるARPUは7,805円だが、買収局も加えると7,789円に落ちる。そのため、買収した局への、J:COMの営業手法の導入、商品やサービス内容の統一などを進める。「2009年はメディアッティの買収だけでも8%の売上が乗り、成長が約束された年。このような、恵まれた環境でも来年以降の成長を確実にする。買収が終わると成長が終わるのではなく、種まきの年にする」との意気込みだ。
アフターフォロー体制の強化は、解約を防ぐために行う施策。J:COMの解約率は、2006年は1.06%、2007年は1.02、2008年は1%で、ほぼ1%前後となっている。しかし、「不況により事業環境は、いっそう厳しくなる。満足度を高め解約を防ぐことは経営上の重要な課題」と引き締めを図る。「満足度を高め、解約を防ぐことは経営上の重要な課題。アフターフォローは、相談のしやすさと比例する。そのためアフターフォロー部隊を強化する」。
デジタル総合対策プロジェクトの推進、テレビサービスの拡充、コンテンツの質の向上の3つに言えることだが、「テレビのプロダクトが重要で一番ARPUが高い」として、有料多チャンネル放送サービスの販売を重点的に行う。カギとなるのは、J:COMのホームパス1,224万世帯のうち、約500万世帯を占める地上波のみを無料で受信をしている世帯だ。このような世帯は、すでにJ:COMの線が引き込まれているため、STBを設置するだけで、多チャンネル放送サービスが契約できる。「J:COMがつながっているお客様は、ぜひ有料サービスを契約していただきたい」とする。
2009年12月期はこのような施策を進め、売上は3,300億円(12%増)、営業利益は600億円(12%増)、税引き前純利益は520億円(10%増)、当期純利益は290億円(4%増)と引き続き大幅な増収増益を見込む。
《安達崇徳》
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