ブログ読者の行動とコメントを分析〜サイバーエージェントとIBM、ユーザ行動分析の新機能を提供へ

　サイバーエージェントと日本IBMは3日、「ユーザの行動」と「テキストデータ」との複合的な分析に関する研究で協業し、ブログやコミュニティなどインターネット上におけるユーザの興味や行動の傾向を効率的に分析する技術を開発したことを発表した。

　今回開発された技術は、従来個別にしか分析ができなかった「ユーザ行動」と「テキストデータ」という、Webサイト運営上で重視される2つの軸を組み合わせた複合的な分析を可能にするとのこと。ブログを読む、コメントを書き込むといった「ユーザ行動」から、興味の有無やその行動の頻度から興味の強さなどを推察し、ユーザが読み書きするブログやコメントなどの「テキストデータ」からは、そのユーザの嗜好の対象や方向性などを推察する。この2つの軸を複合的に分析することで、それぞれの軸のみの単純な分析では得ることのできない、ユーザの持つ興味や、それに基づくブログやコミュニティー内における行動傾向の変遷と経過を知ることが可能になる見込み。サイバーエージェントでは、同社が運営するブログメディア「Ameba（アメブロ）」において、2009年3月よりこの技術を用いた新機能の提供を開始する予定だ。

　具体的には、ブログを読む、書く、コメントを書き込む、読者登録をする、などの「ユーザ行動」を元にユーザの興味を分析し、「Ameba（アメブロ）」のブログの中から、文脈などブログの文章全体やコミュニティ内のブログ閲覧履歴などを総合的に分析した上で、趣味・趣向の一致度が高い他のユーザのブログを、オススメブログとして紹介する「ブログ推薦機能（仮称）」、芸能人・有名人のブログ読者を、アクセス回数や投稿コメント数、コメントの内容や読者自身のブログ内容の分析を加味した形で分類し、熱心な読者を「ブログサポーター」として、各芸能人・有名人ブログ上に掲出する「ブログサポーター機能（仮称）」などが提供される予定。なお「Ameba」のブログ開設者は現在約450万人。そのうち約3,500名の芸能人・有名人がブログを開設している。

　今回の協業は、IBMが全世界で展開する先進的ソリューションを作り出す「First-of-a-Kind（FOAK）プログラム」の一環とのこと。このFOAKプログラムに基づき、サイバーエージェントとIBM東京基礎研究所による共同研究プロジェクトを2008年7月より実施していた。