北朝鮮の飛翔体発射で防災に対する意識は変わった?
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「地震などの災害に備えて何か準備していることはあるか」と聞いたところ、「ある」と回答したのは31.7%。40代では41.0%にのぼったものの、30代では33.7%、20代では22.0%にとどまり、年代が若いほど災害への備えに対する関心が薄かった。
2008年8月の調査で「災害に備えて非常用品を準備している」と答えた人は全体では32.7%とほぼ同程度だったが、20代では前回の32.4%から10ポイント以上減少している点が注目される。
準備していることがあると答えた110名に「どんな準備をしているか」複数回答形式で聞くと、トップは「避難場所・防災拠点の確認」で48.2%。次いで「避難路・消火器の位置確認」が35.5%。
以下、「布団周りの整理・枕元にスリッパや靴を置く(20.0%)」、「応急処置の確認・練習(19.1%)」と続き、「メディカルカード(既往症、持病、アレルギー、血液型等書いた物)の用意」、「ドア付近にこじ開け用のバールを準備」は10%未満だった。
性別で見ると、男性では「避難路・消火器の位置確認(38.2%)」や「家族や近親者へ、直接安否確認の電話せずに災害用伝言ダイヤル・伝言板に連絡するように申し合わせている(21.8%)」が女性に比べて高く、女性は「布団周りの整理・枕元にスリッパや靴を置く(27.3%)」、「風呂に水をはる(23.6%)」などが男性に比べ高め。女性の方がより身近な準備をしているようだ。
また年代別に見ると20代では「避難路・消火器の位置確認(48.3%)」、「応急処置の確認・練習(34.5%)」、「布団周りの整理・枕元にスリッパや靴を置く(24.1%)」が他の年代を上回り、40代では「風呂に水をはる(25.0%)」、「災害用伝言ダイヤル・伝言板に連絡するように申し合わせている(22.9%)」の数値が比較的高めだった。
若い世代は自分の避難を前提に、年代が高い世代は家や家族の安全を主体に準備している様子がうかがえた。
「防災グッズ(非常持ち出し袋)」を「用意している」としたのは準備している人の60.0%。女性では70.9%、30代では66.7%にのぼった。
その内容を複数回答形式で聞いたところ、トップは「水・食料」で86.4%、「懐中電灯・ライター(78.8%)」、「ラジオ(65.2%)」がそれに続いた。
20代では「ナイフ」、「筆記用具」、「笛」が60%台にのぼるなど、他の年代を大きく上回る項目が多いのが特徴的だった。
準備のきっかけを聞くと「きっかけはないが、万が一に備えて」が41.8%で最も多く、次いで「災害のニュースを見て」が37.3%。自身や知り合いの被災をきっかけとする人は10%に満たなかった。
一方、準備をしていない237名に、「朝鮮からの飛翔体発射についてのニュースが災害に備えた準備の必要性を認識するきっかけになったか」を聞くと、「本気で準備を検討している」と答えたのはわずかに1人だったが、「準備をしておこうかという気持ちになった」人が29.5%にのぼり、生活を脅かすものとして意識した人が少なくなかったことを物語った。
全員に「災害にあったときに、これだけは持って行く」ものについて自由に記述してもらったところ、「現金・財布・クレジットカード・通帳・身分証明書」といった貴重品や、「水・食料」、情報を得たり通信手段となる「パソコン」「携帯電話」「ラジオ」が多くみられた。
また、普段から大切にしているであろう「子供のビデオ」「愛犬」「愛猫」「限定物のCD」を持って行きたいという人も。
防災や非常持ち出し品に関する情報が浸透していることがうかがえる結果ではあったが、実際に災害準備をしている人はそれほど多くない。一度、災害の備えについて見直してみる必要があるかもしれない。
《織本幸介》
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