同社では、このHP Pavilion Notebook PC dv2をどういう位置づけの製品としてラインアップしているのだろうか。デザイン ディレクターのStacy Wolff(ステイシー・ウルフ)氏は「HP Pavilion Notebook PC dv2は戦略的な製品である」とし、「ミニノートPCとビジネスノートPCの中間に位置する。ミニノートPCでは満足できず、かといって国内ベンダーのように高価すぎるPCに不満を抱いている人たちには、うってつけの製品だろう」と話している。
今回は、戦略製品である「dv2」のベンチマーク数値を計測し、その性能を検証してみた。
まずは、動作認定を受けているオンラインゲーム「FINAL FANTASY XI for Windows」のベンチソフト「FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3」でその実力をチェック。計測結果は以下のとおりとなった。
●FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3
・HIGH:2,785
・LOW:4,461
高解像度モード(解像度1,024×768ピクセル)のHIGHで2,785、低解像度モード(解像度640×480ピクセル)のLOWで4,461という数値。スクウェア・エニックスの説明によると、2,500〜2,999(名称:つよPC)はFINAL FANTASY XI for Windowsをデフォルト状態で「快適に」、4,000〜6,999(名称:とてとてPC)は「とても快適に」動作させることができるマシンだと予想されるとのこと(全て低解像度モードの場合)。実際、HIGHではベンチマーク計測のデモ画面描画でもたつく場面も時おりあったが、おおむねスムーズに描画できた。また、LOWではもたつくようなシーンはなく、全体でスムーズな描写を行ってくれた。
次にバッテリ性能を計測する「BBench」を使用。今回はディスプレイの輝度を最大設定にし、キーボードを擬似的に押下する機能とweb巡回機能を有効にしてバッテリ駆動時間を計測してみた。10%でスリープに入る設定での数値は以下のとおり。
●BBench
・約8,599秒
メーカー公称のバッテリ駆動時間は約3時間15分となっているが、計測では約2時間30分弱という結果。今回は11段階から選択できるディスプレイ輝度を最大にして測定したが、輝度を落とせばより公称値に近づくはず。インターネットや簡単な入力作業を外出先などで3時間前後行えれば、ちょっとしたモバイルノートPCとしての用途としては実用に足りうる。
さらに、付属のDVDドライブを使用してCDアルバムの音源をiTunesで取り込む時間を計測。約70分のCDアルバムを、iTunesのデフォルトインポート形式(ビットレート256kbpsのAACエンコーダ方式)で取り込み作業を行った。
●CD→iTunesへの読み込み
・10分38秒
約1/6の時間で音源の取り込み作業を行えれば、それほどストレスは感じないはず。
また、PCのCPU、メモリ、グラフィックス、HDD性能など一般的な動作を計測する「PCMark05 Build1.2.0」、3Dグラフィック描画作業を計測する「3DMark06」、レンダリングとシェーディングの処理性能を計測する「CINEBENCH R10」の計測結果は以下のとおり。それぞれの所有PCとの比較参考としてほしい。
●PCMark05 Build 1.2.0
・PC Mark Score:2,139
・CPU Score:2,088
・Memory Score:2,655
・Graphics Score:1,979
・HDD Score:3,987
●3DMark06
・3DMark Score:1,249
・CPU Score:615
●CINEBENCH R10
・OpenGL Standard Test CB:1,771
・Single CPU Render Test:1,239
ベンチマークテスト総括として、80,000円を切る価格のノートPCとしてはかなり健闘したと思える結果で、動画再生支援機能の恩恵も見て取れた。安かろう低かろうのスペックではなく、価格を抑えてもこれだけのCPU処理性能とグラフィックス両方の性能を有する同製品は、ユーザーには選択肢のひとつといえるのではないだろうか。