「TVCMを1個以上覚えている人」71.4%に対し、「バナー広告」も51.2%とすでに5割超え 〜 CCI調べ
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「アドネットワークによるインターネット広告の効果に関する調査結果」(3ページ)および「インターネットユーザーにおけるテレビコマーシャルとインターネットバナー広告での純粋想起の広告結果に関する調査結果」(5ページ)と題するPDFファイルとして公開されており、誰でも閲覧可能。
「アドネットワークによるインターネット広告の効果に関する調査結果」は、CCIならびにクライテリアが共同開発したアドネットワーク広告配信システム「ADJUST」を活用し、広告主(保険業界)の協力のもと、ポスト・インプレッションによるインターネット広告の効果に関する調査となる。ポスト・インプレッションとは広告を見たときにはクリックしなくても、その印象が残って、後になってからその広告が訴求していたサイトを訪問すること(出典:インターネット広告推進協議会 インターネット広告基礎用語集2009年度版)。そのため広告掲載期間は2009年4月からの3週間で、計測期間は2009年4月からの7週間となっている。
この調査によると、アドネットワークの最大の特徴である複数の媒体での重複接触が重要な要素であることが判明し、さらに、広告主の商材と生活者の興味・関心がマッチした場合にタイミングよく表示される「ターゲティング広告」(ADJUSTの行動ターゲティング型広告やコンテンツマッチ型広告)が顧客の獲得効率を向上させる上で有効であることが実証されたという。ADJUSTで配信した広告に接触したインターネットユーザーが、広告主サイトに訪れるトラフィック(顧客誘導)効果をクリックとポスト・インプレッションで比較すると、クリックによる流入が8.9%であったのに対し、ポスト・インプレッションによる流入は91.1%にのぼり、約10倍の効果があったことが判明した。また広告主の商品と親和性が高い専門サイトに掲載される広告やユーザーの興味・関心がマッチしている際にタイミングよく表示される広告は、VTR(View Through Rate、後訪問率)が高いことが判明した。そして生活情報サイト単一での接触ユーザーを基準にVTRを比較すると、他のサイトと重複して接触したユーザーのほうが、さらにVTRが向上していることが判明したという。
もう1つの「インターネットユーザーにおけるテレビコマーシャルとインターネットバナー広告での純粋想起の広告効果に関する調査結果」では全国2,100名にWebアンケートを実施、1週間以内に見たTVCMもしくはバナー広告で、覚えている企業名や商品名を純粋想起させ、想起された回答数とその週に使われた広告費用を比較した。これにより“1つ「純粋想起」させるのにどのくらいの広告費がかかるのか”を検証したという。「純粋想起」とは商品・サービスについて、情報(ヒント)を与えず、想起させる(思い出させる、頭に浮かばせる)こと。
この調査によると、TVCMを1個以上覚えている人は約7割で、バナー広告は約半数が回答。回答できた人の内訳をみてみると、バナー広告を「1〜2個」と回答した人は64.0%、TVCMは46.1%となった。またCMスキップによってTVCMを忘れている人は4.5%と少ない状況が明らかに。今回の調査の目的である、TVCMとバナー広告を純粋想起する際の純粋想起単価を算出すると、TVCMは「112円」、バナー広告は「89円」となった。ここからインターネットユーザーに対して純粋想起を高めようとする場合、バナー広告を軸にした展開が有効であることが確認されたという。また純粋想起されるために必要なインプレッション(表示回数、IMP)については、1週間に約1億IMP以上、出稿すると急激に純粋想起率が高まることが考えられるという。たとえば1億IMP/週の場合、約2%の純粋想起率となり、約44万人が純粋想起可能と推測される。
こうして純粋想起された企業名や商品名1つ1つに対して、「興味」「理解」「行動」「クチコミ」という指標を5段階で評価。純粋想起された企業名や商品名を250個の企業名にコーディングし、「1.TVCMのみで純粋想起された企業群」「2.バナー広告のみで純粋想起された企業群」「3.TVCM、バナー広告両方から純粋想起された企業群」の3グループにわけると、TVCMとバナー広告の両方から想起された企業は、全行動段階において高評価だった。一方TVCMのみから想起された企業群は、「興味」「理解」という項目においてバナー広告よりも高い評価となった。だが広告を見てクリックできるためか、バナー広告のみで想起された企業群は「行動」という項目でTVCMよりも高い評価が得られている。つまり、単体での出稿よりもクロスメディア展開(TVCMとバナー広告をともに出稿)をすることで「興味」「理解」「行動」「クチコミ」といった行動段階において高評価が得られると、同調査では結論づけている。
《冨岡晶》
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