【レビュー】iPhone 3GSにも対応！　BELKINのFMトランスミッターを使ってみた

●最適な周波数を自動で設定できる車載ホルダー一体型iPhone 3GS対応FMトランスミッター

　BELKINの「TuneBase FM X」は、車のシガーライターソケットからiPod/iPhoneへの充電を行いながら、カーステレオのFMラジオを使用してiPodの音楽を聴くことができる製品である。0.1MHz刻みで設定できるデジタルトランスミッター、フレキシブルなアーム、LINE OUT端子、USB端子、見やすいLCDディスプレイなどの機能を有し、最新のiPod/iPhoneにも対応している。

　車載用として、フレキシブルなアームを備えているので、シガーソケットの場所にほとんど影響されずにベストな位置にiPod/iPhoneを固定することが出来る。後部座席にもシガーソケットがある場合などにおいても有用だ。FM周波数の変更はフロントのリング部にある＋ーボタンで行うほか、ノイズが少ない使用可能な周波数帯域を自動選択するクリアスキャンボタンにて簡単に設定する事が可能だ。周波数は２つまでプリセット保存が可能で、プリセットボタンで素早く切り替えも可能。良く使用する周波数は登録しておくと便利だ。

　過去の製品や他のiPod対応製品と異なり、音声はDockコネクタではなくヘッドホンジャックから取得するようになっている。そのため、 iPod/iPhoneのボリュームをあらかじめ適正値に設定しておかなければならない点が若干不便と言える。レビュー環境では、ボリュームを80％前後に設定しておくのが音も割れずに、良い再生環境になるように感じた。音質的にはノイズも少なく素直な音作りで充分に良い音であるように感じた。物足りないと感じる場合には「Pro設定ボタン」を使用して好みのサウンド設定で聴く事ができる。ポッドキャストなどのような音声ファイルの再生用途に適したモノラル再生モードもあるので、再生する音源に応じて設定を切り替えると良いだろう。

　設置した状態で縦位置、横位置の回転も可能なので、iPhoneをナビとして使ったり、iPod touchやiPod nano 4Gのビデオ再生やCoverFlow表示に切り替えて操作する事が可能。上下で挟み込むようにホールドするので、シリコンケースなどのケースに収納した状態でホールドでき、横位置にしても安定している。特にわざわざケースから出して設置するという手間がないので、この点は大変便利だ。そのかわり、 Dockコネクタだけでなくヘッドホンジャックも接続しなければならないと言う手間は増えてしまうが……。

　着信があった場合には、Dockコネクタ下の着信ボタンを押すと楽曲再生がフェードアウトして通話に切り替わる。着信ボタンがノイズキャンセルマイクとなっており、クリアな通話が可能。相手の声は、FMラジオ経由で聞こえるので同乗者がいた場合には会話の内容を聞かれてしまう。ヘッドセットをわざわざ使うまでもない、という人には、これ一つで充電、音楽再生、ハンズフリー通話もできるので便利だろう。

　実売で10,000円前後価格と、若干高価ながらも液晶表示付き本体に自動で最適な周波数帯を設定できる機能などを考量すると、非常にリーズナブルに感じる。Made for iPod, Work with iPhoneを取得した数少ない製品なので、iPhoneユーザで高品位なFMトランスミッターを探している人には最適な製品であると言えるだろう。（iPod Style　戸津）