ICT経済、輸出底打ちと在庫調整終了で生産持ち直して回復局面へ 〜 ICR調べ
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「InfoCom ICT経済報告」と題して四半期ごとに公表してされているもの。それによると、2009年4〜6月期のICT経済は、輸出減少の底打ちから在庫調整の急速な進展により、生産が持ち直した。6月には生産の減少幅が在庫の減少幅を下回り、回復局面に入っている。中国国内のうち需刺激策によるデジタル家電需要の増加により、電子部品関連の輸出が回復したことに加え、国内の追加経済対策による液晶テレビ需要の増加によっても、生産が持ち直したとしている。
ICT関連在庫の調整は、ITバブル崩壊後の10か月に比べ長引くと想定されていたが、急速に進展。2009年6月に入り、鉱工業生産全体の減少幅は在庫の減少幅を上回って依然在庫調整局面にあるが、ICT生産の減少幅(-21.6%)はICT在庫の減少幅(-22.4%)を下回っており、45度線を越え、回復局面に入っているとのこと。ICT関連サービスは2009年1〜3月期に生産よりも遅れて減少幅が拡大したが、4〜6月期に入り底打ちしたとなっている。これにより、ICT経済は、海外経済の持ち直しにより輸出の改善、生産の在庫調整の進展が続くとみられる。
今後の注目点はこの動きが本格回復のキーになる設備投資の下げ止まりから増加につながるかだ、と同レポートではまとめている。国内の追加経済対策の効果が、ICT経済においてエコポイント制度によるデジタル家電(最終製品)や電子部品など関連部品需要で引き続き期待できる上、スクール・ニューディールによる官公需のパソコン需要増加にも期待できるという。ただし、消費を中心とした需要の喚起が一時的なものに留まるのか、あるいは持続的な回復につながるものなのかについては、今後の動向、特に生産活動の活発化とそれにともなう設備投資の回復を注視する必要があるとしている。同経済報告は、10ページのPDFファイルとしてICRサイトにて公開中。さらに詳細なデータは9月に公開の予定。
《冨岡晶》
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