日立、大幅に薄型になった指静脈認証モジュールを開発 〜 厚さ3ミリメートル
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指静脈認証は、日立が2000年に基本技術を確立、指に近赤外光を透過させて指の静脈パターンを観察・認証する生体認証技術。今回、近赤外光に高い感度を持ち、指静脈パターンを非接触撮影できるフラットセンサを開発し、指静脈認証モジュールの大幅な薄型化を可能にした。従来は、近赤外光を照射して得られる指静脈パターンを、一枚のレンズを用いて撮影するカメラ方式のため、レンズの厚みとともにレンズと指の間の距離が必要であり、指静脈認証モジュールの薄型化には限界があった。今回開発された薄型非接触フラットセンサは、センサの各画素ごとに焦点距離の短い極小レンズを配置する方式のため、指とセンサの間の距離が短くても、焦点の合った鮮明な静脈パターンを撮影できる。これによって、指静脈認証モジュールの薄型化が実現したという。
さらに、フラットセンサの感度と撮影用光源の明るさを、周囲の光の向きや強さに応じてきめ細かく制御する信号処理技術を開発し、外光の影響を受けにくい認証を実現した。また、撮影時に、センサの受光部全体を指で覆い隠す形で認証を行うことができる狭エリア静脈パターン画像処理技術を開発し、撮影エリアへの外光の侵入を減少させたとのこと。
今回開発した技術を用いて、厚さが3ミリメートルの指静脈認証モジュールを開発し、本モジュールと撮影データと登録データの照合を行う外付けの認証処理部から構成される薄型指静脈認証装置を試作した結果、非接触の個人認証が行えることを確認した。本開発により、指静脈認証を、これまでスペースの制約から搭載が難しかったモバイル機器、自動車、住宅などのさまざまな分野のセキュリティに幅広く応用することが可能になるという。
《冨岡晶》
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