【CEATEC JAPAN 2009 Vol.4】手投げメールや眼操作イヤホンなど——NTTドコモが提示するケータイの未来
エンタープライズ
モバイルBIZ
注目記事

このうち今年冬からの提供を計画しているという「ケータイホームシステム」では、出先から携帯電話を使って自宅の家電等を遠隔操作するデモを実施している。
仕組みは各家電に取り付けたアダプターと、宅内に設置した宅内制御装置が無線で接続されており、ルータを介してインターネットとつながっている。たとえば、外出先から携帯電話を操作することにより、うっかり消し忘れた自宅の照明を消したり、エアコンをオン・オフしたりすることができる。
一方、ユニークなアイデアで黒山の人だかりができていたのが、「眼で操作できるイヤホン」だ。ケータイで音楽を聴いているとき、もしも両手が荷物でふさがっていたら? 当然、音量調整などの操作がやりにくい。そこでこうした操作を「眼でやってしまおう」と考えたのがこの仕組みである。
人間の眼は帯電しており、眼球が動くと左右に電位差ができる。そこでイヤホンに左右・各3本ずつ電極を取り付け、眼が動いた際の電位差を感知することでケータイを操作しようというものだ。音楽の再生や音量の加減、ポーズ、曲の送り戻しができるだけでなく、携帯電話の発着信まで制御可能だ。
もうひとつ、目を引いたデモは「投げメール」だ。これは近くにいる友達に向かってケータイを振ると、相手にメールを送信できるというもの。実際にはGPSで両者の位置情報を確認し送信相手を特定しているのだが、投げる動作とメール送信のマッチングが注目を集め、体感コーナーには長蛇の列ができていた。
このほか、いまどきのエコな時流にマッチしたおしゃれな試みが「TOUCH WOOD」だ。これはヒノキの間伐材を利用した携帯電話で、しかも木目や色あいなど、同じものが2つとない。「世界でたった1台のマイケータイを持てますよ」という趣向である。
従来から木目を使ったケータイはあったが、カビが発生するなどの問題から木材そのものを使うことは難しかった。TOUCH WOODでは、オリンパスがもつ独自の木材圧縮成形加工技術を使い、強度や耐久性を高めることで「木のケータイ」を実現させた。塗装もせずニスもまったく使っていないのにツヤがあり、年輪状の木目が非常に美しい。木の香りを楽しめるのも注目だ。
健康志向はいまや現代人の常識だが、「融合サービスの提供」コーナーにはケータイを使ってカンタンに健康管理をしようという展示もあった。今年6月から実稼動している「ウェルネスサポート」だ。
まず、FeliCaなどが組み込まれた身長体重計や血圧計などで、自分のカラダをデータ測定する。で、あとは同じくFeliCaが内蔵されたケータイを、これら健康機器に「かざす」だけ。たちまち測定データはケータイに取り込まれ、蓄積される。また同時にウェルネスサポートのサーバにも自動転送され、これによりユーザはデータ検索などが自在にできるしくみだ。
ドコモでは現在、B to Bで旭化成ライフサポートやNTTレゾナント、NTTアイティにツールを提供しており、2010年1月までにはコナミスポーツ&ライフ、オムロンヘルスケアなど7〜8社にも提供する予定だ。
最後に、マルチメディア関連の展示を紹介しよう。映像や音楽、ゲーム、電子書籍などの多彩なコンテンツが自動的にケータイに蓄積され、いつでもどこでも楽しめるサービスだ。
なんとワンセグの8倍もの情報量があり、高画質・高品質が最大のウリ。また仮に電波状態が悪くなり中断したとしても、補完サーバを使って見逃しをなくすなどの工夫も凝らされている。ファイルキャスティングサービスとストリーミングサービスが地上アナログテレビ放送終了後の周波数帯域を使って2012年より提供される予定だ。
《松岡美樹》
特集
この記事の写真
/