【ATTT09】MSがMotegiのHMIツールUI環境を初公開、動く仕様書も実現
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
マイクロソフトの展示ブースでは、車載情報端末向けに現在開発が進んでいる次世代HMI(Human Machine Interface)ツールのデモ、ならびにカーナビメーカーらによる製品展示が行われている。
現在マイクロソフトでは、車載情報端末の組込みOSとして、日本のカーナビメーカー向けの「Windows Automotive」(ナビゲーションやGUI機能)と、欧米の自動車メーカー向けの「Microsoft Auto」(メディア接続やハンズフリーなどの機能)の2つのプロダクトラインがあるが、これらを統合した次世代Windows Auto(開発コードネーム:Motegi)を来年度にリリースする予定。また、これまで「Windows Automotive」のHMIツールとして提供されてきた「AUITK(Automotive User Interface ToolKit)」は、「Microsoft Silverlight」に統合される。
今回の展示ブースでは、このHMIツールのUI環境が初公開され、グラフィカルな画面のデザインや動きをSilverlightによってPCのWebブラウザ上で容易に確認できる様子が、デモで紹介されている。
たとえば、デザイナーが「Expression Blend」で作成したボタンの色や大きさを定義したリソースファイルを、開発者が受け取って「Visual Studio」でコンパイルしたあと、Silverlightを使ってWebブラウザ上で表示・確認する。そして、OKであればターゲットデバイス用にコンパイルしてそのデバイスに送ればUIに反映される。この一連の作業を、マイクロソフトの汎用製品を使ってすべてPCで行うことができるため、開発期間の短縮が期待できるという。
また、カーナビ画面数は1,000を優に超えると言われ、最近ではアニメーションによる画面表示などリッチなグラフィックが求められることから、従来のように画面の仕様書を紙で作成していては追いつかなくっている。そこでメーカーからは、画面遷移とデザインを合わせた“動く仕様書”を望む声が高まっていたという。Motegiでは、状態遷移(ステート)の管理ツールとインターフェースをExpression Blendに作りこんでおり、デモでは、独Elektrobit社のステート管理ツール「GUIDE Studio」と連携した開発手法を紹介している。
このほか、マイクロソフトの展示ブースには国内のカーナビメーカーによる製品紹介コーナーもあり、カーナビとPCのコンテンツ連携や、Webカメラを使った付加価値サービスなど、Windows Automotiveをプラットフォームとし、その上に独自のソリューションを組み込んだ車載情報端末が紹介されている。
《柏木由美子》
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