NECとハーバード大学関連病院、病理画像診断支援システムのプロトタイプを開発
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「病理画像診断支援システム」は、現在、病理医が顕微鏡を用いて行っている病理診断を、コンピュータで支援するもの。デジタルスキャナを用いてデジタル化された病理組織画像中の組織および細胞の特徴から、がんと思われる領域の自動抽出、治療法選択のための免疫染色画像の特徴量計測などを高精度・高速に行う。
NECとMGHが開発したシステムは、乳腺組織を対象とし、H&E(ヘマトキシリン&イオシン)染色スライド画像から乳がんと思われる部位を自動抽出する機能と、特定の抗体を持つ細胞を染めた免疫染色スライド画像から、染色細胞を自動抽出・計測する機能を有するとのこと。NECとMGHは、昨年10月より、MGHが保有する膨大な病理サンプルを用いて、NECの機械学習アルゴリズムを「教育」し開発を進め、10月より実際の病理診断ワークフローでの利用を想定した共同臨床実験を開始した。
NECとMGHは今後、前立腺組織を対象として同様の機能の開発を進める予定。MGHでは、同システムを導入することで、同病院の病理診断ワークフローの自動化、効率化、精度向上を進める予定。またNECは、胃がん向けシステムの日本市場向け販売を開始、MGHとの臨床実験の成果をもとに、2010年度上期中の出荷を予定している。NECは従来から、中央研究所とNEC北米研究所(プリンストン)において、病理画像診断支援システムの研究開発、国内検査センターなどとの実験を進行しており、今回のMGHとの実験を契機に、「病理画像診断支援システムe-Pathologist」の名称で、北米、欧州、日本を含むアジアなどグローバルな事業展開を図っていくとしている。
《冨岡晶》
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