IPA、複数人によるOSS翻訳作業を支援する基盤ソフトを公開
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近年のOSSの多くは、プログラムの基本構造を、扱う言語に依存しない構造とするとともに、プログラムの本体と、ヘルプメッセージやメニュー画面などのテキストとを分離するのが一般的となっている。しかし、日本においては、英語-日本語の言語の差異が、英語-欧州各国語の差異に比べて大きく、翻訳作業の負荷が高いことから、ボランティアによる翻訳が進みにくいという問題があった。結果として、海外で開発されたOSSのなかには、機能が優れたものであっても、日本語化の遅れから、日本国内での普及が進まない場合があったという。
IPAは、少数のボランティアでも、翻訳コミュニティーを組織し、協調して効率的に翻訳作業ができるように支援するツール「翻訳コミュニティー基盤ソフトウェア」を開発し、「OSSオープン・ラボ」から提供を行う。このソフトウェアは、翻訳コミュニティーの参加者について「コミッター」「翻訳コーディネーター」「レビュアー」「翻訳者」の4種類の役割があらかじめ定義されており、この役割に従った翻訳作業および翻訳ワークフロー管理の両面から、翻訳コミュニティーの運営を支援する。翻訳者やレビュアーが本ソフトウェアの翻訳メモリや用語対訳集などを用いることで、効率よく翻訳作業を行うことが可能なほか、コミッターや翻訳コーディネーターによる翻訳作業の管理(翻訳単位の切り出し、翻訳結果の受付・更新など)機能を搭載。翻訳ワークフローの進捗管理のためのツールであるTrac、翻訳済み情報公開のためのWiki、メーリングリスト、ユーザー管理など翻訳コミュニティーの運営を支援する環境も提供される。
IPAでは、本ソフトウェアについての説明会を、10月30日に日本工学院専門学校 蒲田キャンパスで開催される「オープンソースカンファレンス2009 Tokyo/Fall」において実施する予定。
《冨岡晶》
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