女性は「人間失格」好き!?　太宰治作品で読んだことあるのは？

　生誕100周年を迎えた小説家・太宰治。「走れメロス」「斜陽」「人間失格」などの作品が有名だが、彼についての意識調査をアイシェアが実施。20代から40代のネットユーザー男女491名の回答を集計した。回答者のうち、小説や新聞など活字を「よく読む（26.1％）」「わりと読む（33.0％）」を合わせた59.1％が『活字を読む』。「あまり読まない（29.1％）」「まったく読まない（11.8％）」を合わせた40.9％が『活字を読まない』だった。

　太宰治を「知っている」としたのは全体の85.5％。女性は91.4％で、年代が上がるほど認知度は上昇。40代で91.3％に上った。さらに『活字を読む』人では96.2％と大半を占めるが、『活字を読まない』人でも70.1％と高く、知名度の高さがうかがえる。

　これらの人に、太宰治の作品を知った最初のきっかけは何か聞いたところ、「学校の授業」が83.6％と圧倒的多数。「自分で興味を持った」は10.5％で、わずかだが「人に勧められた」という人も。男女別で見ると、男性は「学校の授業」が86.6％と高めなのに対し、女性は「自分で興味を持った」が10％を超えていた。

　さらに、太宰治の作品を読んだことが「ある」としたのは70.5％。特に女性（75.4％）と20代（78.3％）で高比率。その作品名を挙げてもらうと（複数回答形式）、「走れメロス」が最も多く93.2％、次いで「人間失格」の60.8％。以下「お伽草紙（11.5％）」「富嶽百景（10.5％）」。その他は10％未満だった。いずれの作品も女性の割合が高く、特に「人間失格（68.0％）」「グッド・バイ（13.7％）」は男性と比べ、それぞれ10ポイント以上差をつけた。なお、太宰治自身の生き方や作品に「魅力を感じる」としたのは16.4％。女性（20.2％）と20代（18.6％）がやや高めだった。「走れメロス」は国語教科書にとり上げられていた影響もあり、知名度、読書経験も高い。女性人気の高さも浮き彫りになっており、“太宰ブランド”はいまだに強いようだ。