ICT生産、ITブーム期ピークに迫る水準まで回復 〜 ICR調べ
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「InfoCom ICT経済報告」と題して四半期ごとに公表してされているもの。それによると、鉱工業生産が80年代後半の水準にとどまるなかで、2009年7〜9月期のICT生産は、輸出の持続的回復、在庫調整の急速な進展により、2000年のITブーム期ピークに迫る水準にまで回復したとのこと。生産は前年同期比マイナス17.5%、在庫は同マイナス22.0%となった。中国を中心とした輸出の持続的回復、エコポイント制度による液晶テレビ需要の増加が奏功した。加えて、回復するか懸念されていた設備投資(民需)は半導体製造装置の減少幅が縮小したことにより底打ちしたとしている。ICT関連消費は移動電話通信料とインターネット接続料を中心に増加を維持した。
一方で、2009年4〜6月期に下げ止まったICT関連サービスは再び減少幅が拡大した。前期比1.9ポイント悪化し、前年同期比マイナス2.7%となった背景には新規受注ソフトウェアの減少幅の拡大がある。これは(1)金融機関の特需(銀行の合併によるシステム特需や保険業の基幹システム全体刷新等)の反動減と、(2)企業収益の低下による設備投資全般の低迷が影響しているという。
ICT経済は、過去の上昇トレンドからみて生産がいっそう回復していくとみられる。停滞気味の国内生産活動のなかでICT経済の存在感が際立っている一方で、ICTサービス活動はサービス全般と同様に低調であり、ICT経済全体が本格成長に向かうのかが今後の注目点と、同調査報告は結んでいる。同経済報告は、9ページのPDFファイルとしてICRサイトにて公開中。さらに詳細なデータは12月に公開の予定。
《冨岡晶》
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