NECら、中堅中小企業向けサービス事業を強化〜SaaSを軸としたソリューション拡充

　NECならびにNECネクサソリューションズは15日、中堅中小企業に向けたサービス事業の強化を発表した。

　第一弾として、SaaSを軸とした中堅中小企業向けソリューションを体系化し拡充を図るとともに、パートナー経由の販売を支援する200名規模の専門部隊の確立、パートナー支援プログラム（NEC SaaSパートナープログラム）の新設などによるパートナーとの連携体制を大幅に強化するとのこと。NECグループは、昨年10月に中堅市場向け営業体制の再編を行っており、今回の強化はそれを敷衍するものとなる。

　中堅中小企業向けSaaS型ソリューションの整備・拡充においては、基幹システムを中核に50種のSaaSアプリケーションをメニュー化。基幹業務を対象とした「EXPLANNER for SaaS」を中心に、周辺業務システム、メール・ポータルなどのフロントシステム、建設業やホテル向け等の業種特化システムを強化する。さらに、シンクライアントや、給与計算・人事情報メンテナンス・コールセンターなどのBPO（ビジネスプロセスアウトソーシング）分野も含め、中堅中小企業の情報システム部門が担うシステム領域のほぼすべてを網羅する。現在の約15種のサービスを2010年度上期中に約50種に拡大する予定とのこと。

　また販売パートナーが自社のアプリケーションを迅速かつ安価にSaaSで提供できるよう、中堅中小企業向けサービス基盤を提供。パートナー企業がこの基盤にアプリケーションを乗せる際、NECおよびNECネクサソリューションズが動作検証やセキュリティの技術支援を行う。販売パートナーは、NECのサービス基盤上に乗ったサービス（他のパートナーのサービスを含め）を組み合わせて顧客に提供することも可能。

　さらに顧客向けにSaaSアプリケーションの専用ポータルサイトを開設する。このサイトでは、顧客が直接、主なSaaSアプリケーションのデモンストレーションを見たり試行的にデータを入力するなどして、サービス利用イメージを鮮明にすることが可能となり、顧客のサービス選択を支援する。第一弾として、本年5月に「EXPLANNER for SaaS」のサイトを開設し、順次対象サービスを拡大する。

　パートナーとの支援体制や新施策を確立においては、販売パートナーにおけるSaaSを中心としたソリューションの開発や拡販を支援する専門部隊を、NECとNECネクサソリューションズに合わせて200名規模で本年4月に確立し、順次要員数を拡大する。また5月に、パートナー支援プログラム「NEC SaaSパートナープログラム」を新設。本プログラムに契約したパートナーに対して、サービス運用全般に関する教育やコンサルティング、営業ツールやヘルプデスクサービスの提供などを行い、パートナーにおけるSaaS事業の早期立ち上げを支援する。あわせてSaaS等のサービスの実証・体験環境を整備した「NECクラウドプラザ」を、東京に加え、2010年度上期に名古屋・大阪に順次展開する。販売パートナーは顧客への具体的な提案活動として「NECクラウドプラザ」を活用できる。