【MWC 2010 Vol.17】NEC、都市部など最適ネットワークを評価する「LTE SON用3次元シミュレータ」
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LTEに関する新製品としては、制御装置に相当するREC(Radio Equipment Controller)とアンプにあたるRE(Radio Equipment)を一体化した小型基地局「MB4300-n」を発表。一体型基地局としては世界最小クラスといい、トラフィックが集中する都市部に小半径のセルを構築したり、正式サービスイン前のトライアル導入などに適している。高効率アンプの採用により省電力化を図り、従来の同社W-CDMA基地局に比べ最大75%の消費電力削減を実現した。
LTEでは自律的にネットワークを最適化する技術「SON(Self Organizing Network)」の導入が予定されており、現在その仕様に関する標準化作業が進んでいる。これに関してNECでは、セル内の建物などで発生する電波の回折や反射を含め3次元で伝搬特性を推定する「LTE SON用3次元シミュレータ」を開発した。SONを用いたネットワーク最適化技術は通信機器ベンダー各社が開発しているが、同社の技術は3次元のシミュレーションに対応しているのが大きな特徴で、高層ビルが建ち並ぶ都市部などでもより実態に即した評価が可能になったという。
従来の携帯電話ネットワークでは、新たに置局を行う度にハンドオーバーのための隣接セル情報などを設定し直す必要があり、各種パラメータの調整には測定装置を積んだ車を走らせて電波状況の実測を行う必要があるなど、ネットワーク構築に多大な手間と費用がかかっていた。SONでは、エンドユーザーが持つ端末に測定器の機能を持たせ、通信品質のデータを収集することで、ネットワークが自律的にパラメータを調整する。これによって電波状況の測定コストが削減でき、通信品質の向上も期待できる。また、深夜帯などでトラフィックが少なく周囲の基地局で十分カバーできるエリアでは、一時的に基地局を停止して消費電力を削減するといったことも可能になる。
《日高彰》
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