氷河期並みの2011年大卒、理系学生に人気の就職企業は?
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同調査は、1978年以来毎年実施されているもの。2011年3月卒業見込みの全国大学3年生、大学院1年生を対象に、計24,197名の有効回答を得た。
全体の概況として、2011年卒業者は、バブル経済崩壊以降の「就職氷河期再来」とまで言われるほど厳しい就職環境下にある。一方で企業側は、かつての新卒採用凍結により生じた弊害(コア人材の枯渇や年齢構成比のゆがみなど)を踏まえ、採用人数を抑制しつつも採用そのものをできる限り継続したい構え。同社が行なった該当卒業見込み者の意識調査によれば、「安定している企業」、「やりたい仕事ができるか」を重視する傾向にあり、そのような中でも「冷静に現実と向き合い、企業を見極めようとしている」という。
調査は文系・理系でわかれており、文系総合1位は3年連続でJTBグループ。同グループは男子・女子ともに首位を獲得し、圧倒的な強さを誇っている。以下、総合2位が資生堂、総合3位がANA(全日本空輸)と続く。
理系総合1位は味の素。昨年の5位から順位を上げ、調査開始以来、食品メーカーが初の首位に輝いた。選社理由としては「業界上位である」、「安定している」、「やりたい仕事ができそう」などが挙がった。
理系総合2位は前年に続きパナソニックが堅持。パナソニックは理系男子部門では初の首位となり、安定感以上に「技術力が高いこと」が理由として挙げられたという。
以下、家電関連メーカーに注目して見てみよう(いずれも理系総合)。5位には昨年の首位から順位を下げたソニーがランクイン。ソニーの選社理由として最も高いのはパナソニック同様「技術力が高いこと」だが、その割合はソニーの23.5%に対し、パナソニックは19.6%。技術力に対する印象のみを取り上げた場合、ソニーのほうが高い結果となる。
ほかに理系のトップ10内に食い込んだのが東芝で、順位を昨年の13位から上げた。また11位にシャープ、12位に日立製作所が続く。日立製作所も東芝同様に昨年の15位から順位を上げたが、シャープは6位からランクダウンしている。
そのほか、39位に富士通(昨年から5位ランクアップ)、51位に三菱電機(昨年から8位ランクアップ)など、おおむね家電関連メーカーの人気は堅調。一方で、52位のNEC(日本電気)は昨年の23位から大幅にダウン。ちなみに、3月4日に発表された同社の2011年度新卒採用計画では、事務系/技術系あわせて前年度の100名から300名へと人員増加が見込まれている。また、カメラメーカーではキヤノンが前年の9位から23位へ、富士フイルムが前年の51位から62位へ順位を下げた。
なお、業種別ランキングの場合、家電関連メーカーのトップ5はパナソニック、ソニー、シャープ、東芝、日立製作所の順となっている。
《小口》
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