「世界最高性能になる見込み」——富士通がサーバ製品「PRIMERGY CX1000」を発表
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富士通、データセンター向けの新サーバプラットフォーム「PRIMERGY CX1000」販売開始
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◆データセンター専用モデルを提供
はじめに、同社執行役員常務 佐相秀幸氏が同社のサーバ戦略を紹介。同社では、従来型のミッションクリティカル・システムに加えて、今後はグローバルビジネスの強化・拡大とクラウドコンピューティングへの対応を図っていくという。今回販売開始されたCX1000は、データセンターへの大量サーバ集約に最適な省電力性能を持ったサーバプラットフォームで、世界同時発表されている。
なお、同製品は省電力のベンチマークであるSPECpowerで「世界最高性能になる見込み」(佐相氏)だという。
◆CX1000はKeep it simpleがコンセプト
続いて、同社IAサーバ事業部本部長 河部本章氏がCX1000の特徴を紹介。CX1000は、同社がデータセンター事業者15社とネットサービス企業20社にヒアリングを行った結果を基に、省電力化、省スペース化、運用コストの軽減を追求した製品であるという。特に“Keep it simple”をコンセプトに、従来のようなサーバ単位ではなく、ラック単位でのシンプル化と最適化を図ったのが大きな特徴だ。
◆ラック全体で冷却するメリット
まずは省電力の部分だ。ラックマウント形のサーバではサーバ1台当たり8〜10個の冷却ファンが装備されているのが一般的で、仮にこうしたサーバを40Uラックにフルに搭載した場合、300個以上のファンが動作することになる。CX1000では、冷却ファンをサーバ単体に装備せず、ラック上面に2個の大型ファンを搭載し、ラック単位で冷却する方式を採用している。2個の集中ファンのみで38ノードすべてを冷却するが、冷却効果を平均化するところにノウハウがあるという。さらに80PLUS Gold(変換効率92%)の高効率電源を採用することにより、同社の従来製品比で13%の省電力化に成功している。
この専用ラックは、サーバからの排熱を、ラック内のダクトを通じて上方に逃がす仕組みになっている。また、サーバも背面メンテナンスフリーになるよう設計されているため、ラックの背面にホットアイルを設ける必要がなく、ラック同士を背中合わせに配置できる。さらにラック自体も奥行85cmと小型化しており、従来のラックサーバと比較して、設置スペースを約40%削減することに成功した。
◆軽量化と運用コスト軽減の両立
一方で従来型のデータセンターでは、ラック当たりの供給電力量と床荷重に制限があり、たとえ40Uのラックを設置しても、サーバをフルに搭載することができず、デッドスペースが生じてしまうという問題がある。その点、CX1000は38台フル搭載しても重量500kg、消費電力5,700Wと、一般的なデータセンターの床荷重500kg/m2以下、ラック当たりの供給電力6kW以下という値を見事にクリアしている。
この軽量化に大きく貢献しているのが搭載されるIAサーバのシンプルな構成だ。冷却ファンを装備していない点は先にも紹介したが、同製品はラックから引き出すときに利用するスライドレールも装備していない。運用コスト削減の一環として、障害発生時には、サーバノードごと交換するため、メンテナンス時に利用するガイドレールは不要との判断だ。河部本氏によれば、このスライドレールも軽量化に大きく貢献しているという。また、ラック奥にダクトを設けている都合上、サーバ自体も、特に奥行き方向がコンパクトに設計されている。製造は富士通テクノロジー・ソリューションズ(FTS)のドイツのアウグスブルグ拠点とのことだ。
同社ではCX1000の導入により、省電力によるコスト削減約13%、冷却電力コスト削減約13%、データセンターフロア面積削減約40%の効果があるとしている。なお、同社が2月に発表したクラウドサービスのプラットフォームとしても採用していく予定だという。
《竹内充彦》
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