NTT Com、BizCITYに新サービス追加――クラウド全体で1,000億円を目指す
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「Bizデスクトップ」は、オフィスや自宅のPC、携帯電話などから、Webブラウザを通じてメールやオフィスソフト、ストレージなどを、端末にデータを残さず利用できる仮想デスクトップ(シンクライアント型)サービス。サービスラインアップは、ID単位でブラウザから利用可能な「Bizデスクトップベーシック」と、仮想PCでWindows環境が利用可能な「BizデスクトップPro」の2つ。それぞれの料金は、前者はIDあたり1,260円/月、後者はIDあたり約2,625円/月(1VM、30ID利用時)となっている。
デモでは、ホットスポット経由(FOMAカード使用)でパソコンからアクセスした「Bizデスクトップ」の画面および操作性を紹介。デモを担当したNTT Comのビジネスネットワークサービス事業部 ユビキタスコミュニケーション部 担当課長の奈良部達也氏は、「Windowsライクな使い勝手や、直感的な操作を実現した」と語り、また誤ってBizデスクトップからパソコンのデスクトップにデータをコピーできない様子も紹介した。携帯電話からのアクセスでは、パソコンと同じメニューアイテムを利用できるiアプリの「Bizデスクトップ」を使い、Excelの資料を開いて拡大・縮小するなどの操作を紹介した。
同社のクラウドサービス「BizCITY」は、2008年度に構築したSaaS基盤をベースに、アプリケーションパートナー向けのSaaS/ASP基盤サービス「BizCITY for SaaS Provider」や、MVNO方式による高速モバイルサービスの提供を手始めに、翌2009年度には、SaaS基盤をBizCITYサービス基盤へ拡充して仮想サーバホスティングやWebメール、大容量ストレージサービスなどへサービスを展開。ユーザーはVPNやインターネットを介して、NTT Comの各サービスやパートナーアプリケーション、さらには他のクラウド基盤を利用できる。
今回の「Bizデスクトップ」は、こうした“雲の上のサービス”を利用するための“雲の中のサービス”となる。つまり、このインタフェースを介してストレージやメール、パートナーアプリケーション、さらには社内システムを、いつでもどこでも安全・便利に利用できるユビキタス環境を提供する。また、ID/パスワードやソフトトークン、ICカード、機器IDなど、多要素認証によるアクセス制御、通信の暗号化(SSL)や、3G・ホットスポットによる高速モバイル・無線LAN接続サービスも用意されており、これらは仮想ホスティングサービス「Bizホスティング」で運用される。
BizCITYの今後の展開としては、多要素認証の機能拡充、各種サービス/アプリケーションおよび社内システムへのシングルサインオンによる利便性の向上、アクセス環境(端末・アクセスルート等)を把握してオンデマンドで最適な通信を実現するなど、セキュリティ関連の機能強化を第2四半期以降で予定している。また、アプリケーションの拡充も並行して進め、VoIPやコラボレーションといった機能の追加や、スマートフォンと組み合わせた利用にも対応していくという。
NTT Comのクラウドが目指すところとして、NTTコミュニケーションズのビジネスネットワークサービス事業部 販売推進部 担当課長の渡辺聡氏は、「Bizデスクトップという統一インタフェースで様々な情報リソースにアクセスできるだけでなく、クラウド環境から、お客様がご利用になる端末まで、NTT Comがワンストップでオペレーションさせていただくという、真にユビキタスなサービスを提供していきたい」と語った。
また、NTT Comのビジネスネットワークサービス事業部長の原隆一氏は、「今回のシンクライアント型を提供しているベンダーはすでにいるし、仮想ホスティングやWebメールについても同様。しかしビジネス環境に必要なツールをこれだけパッケージ化して提供しているベンダーは他に思い当たらない。こうしたサービスや、認証、ファイヤウォールの部分など、お客様が個別に調達してそれを自社環境にカスタマイズする運用と比べれば、月額固定で利用できるNTT Comのクラウドはかなりリーズナブル」と、サービスおよび価格体系に自信を見せた。
現在のBizCITY上のアプリケーションパートナーは、無償トライアルも含めて100社程度。今後の拡充等も含めクラウド全体で2010年度1,000億円の収益を目指す。
《柏木由美子》
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