【ケーブルテレビショー2010(Vol.4)】江ノ島、佐世保等でのCATVインターネット活用事例――ソニービジネスソリューション
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
小川氏は冒頭、現在のケーブルテレビ局に求められている役割について、地上アナログ放送完全停波によるケーブルテレビ局のデジアナ変換対応要請に応じた完全デジタル化の推進と、「放送・ネット・電話」のいわゆるトリプルプレイを駆使した、サービスの高度化の二つをあげた。
特に後者に関しては、通信事業者系プロバイダの放送サービス開始による直接競合の増加といった厳しい市場環境もあり、「地域コンテンツホルダーでありインターネットプロバイダでもあるというケーブルテレビ局の強みを活かした施策が重要である」と指摘、その事例をB2B、B2Cの両面から紹介した。
まずB2Bでは、ここ数年で電子広告板としての認知度が高まり、公共施設や駅、ショッピングモールなどを中心に納入率が高くなってきたというデジタルサイネージソリューションを紹介した。
各拠点にデジタルサイネージプレイヤー「VSP-NS7」を接続したソニー製パブリックディスプレイを置き、ケーブルテレビ局のインターネット網で接続することによって、局側に置いた専用マネージメントソフト「VSPA-D7」を使ってコンテンツ(動画、静止画、文字)の一括配信管理が可能になるという。
また、配信されたコンテンツに、IPカメラで撮影したリアルタイム動画や、STB(セットトップボックス)で受信した放送コンテンツを組み合わせて表示することも可能だという。
さらに、災害や気象情報などの緊急告知を、通常のスケジュール再生に割り込ませて表示する機能も用意されている。
このシステムを活用している例として小川氏は、江ノ島電鉄と鎌倉ケーブルコミュニケーションズ(JCN鎌倉)が運営する「江ノ島ウェーブビジョン」をあげた。鎌倉、長谷、江ノ島、藤沢の4駅に設置されたビジョンにはJCN鎌倉が製作した観光宣伝を目的としたコンテンツが流れるが、緊急時には江ノ電本社からのテロップが割り込んでインサートされる。配信管理はすべてJCN鎌倉にあるマネージメントソフトから行っている。なお、この事例はケーブルテレビショー会場の展示コーナーでも大きく紹介されていた。
ほかにも九州テレ・コミュニケーションズによる佐世保サンプラザアーケードショールーム壁面の16面マルチ画面によるディスプレイ、ジェイアール東日本企画による品川駅の44台の縦型表示モニターによるWiMAXを利用したデジタルサイネージ配信システムなどの事例も紹介された。
B2Cの方は、ソニーが販売するコンテンツ管理配信システム「OPSIGATE」を利用したVOD(ビデオオンデマンド)による加入者向けサービスの強化、地域コンテンツのVODおよびインターネットによる二次活用が紹介された。
たとえば議会中継映像をFlashメディアサーバを使ってリアルタイム配信しつつ、VOD用サーバーからはアーカイブとして過去の映像もインターネット経由で閲覧可能にするといった活用法が考えられる。
地域コンテンツという他のプロバイダにはないコンテンツを活用することによって、付加価値向上による加入促進が見込めるという。
さらに、Googleの「Google TV」プラットフォームを採用した「Sony Internet TV」といったデジタルTVや、ゲーム機、地域WiMAXを利用したモバイル端末といったPC以外の端末によるオンデマンド視聴についても積極的にソリューションを提供していくという。
最後に小川氏は、2010年4月にソニーマーケティングの放送局・企業向け等の機器を中心とするセールス・マーケティング部門を中心にグループ内の関係部署を統合して新たに発足した「ソニービジネスソリューション」について、「多様化するお客様のニーズにお応えすべく長年培ってきた実績をいかし、コンサルティングからシステム設計、システム構築、保守・運用まで一気通貫、トータルでサービスできる会社です」とアピールしてプレゼンテーションを終えた。
《田口和裕》
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