国内ITサービス市場、“21世紀に入って初”のマイナス成長 ~IDC予測
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
2009年の国内ITサービス市場規模は、景気後退の影響を受け前年比3.9%減の5兆212億円。2010年に入っても前半までは景気後退の影響が残り、同市場は前年比1.3%減の4兆9,563億円と、2年連続のマイナス成長になる見込みだ。いわゆる「ITバブル」崩壊後もプラス成長を維持してきた国内ITサービス市場がマイナス成長を記録するのは、21世紀に入って初めてのことになる。
2010年中から案件は動いているが、実際に市場の拡大を促すようになるのは2010年後半以降になるとみられ、2010年通年での国内ITサービス市場成長率は2009年に引き続いてマイナス成長、2011年にはプラス成長となるものの、本格的な再成長は2012年以降となる見通しだ。2014年の国内ITサービス市場規模は5兆4,741億円、2009年から2014年までの年間平均成長率は1.7%になるものとIDCでは予測している。
2011年以降同市場は再成長を開始する見込みだが、案件の小型化、投資規模の最適化、低コストでのサービス提供など 「ニューノーマル(新たな常態)」環境が市場を支配し、市場の成長は景気後退以前に比べて緩やかなものになる予測とのこと。国内ITサービスベンダーは “ニューノーマル”環境下で成長を実現するため、新たな投資機会を見つけることが求められており、IDC Japan ITサービスグループマネージャーの寄藤 幸治氏は「ITサービスベンダー各社は、足元ではローコストサービスの提供を行いつつ、中期的にはその上に新たな付加価値を生み出すサービスを自ら創出、提供しなくてはならない」とのコメントを寄せている。
《冨岡晶》
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