【ケーブルテレビショー2010(Vol.8)】ホームネットワークの活用提案――パイオニア
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CATVと競合するFTTHを利用した光TVサービスの多くは、テレビさえあればどの部屋でもデジタル放送を視聴できるパススルー方式を強味に、加入者を伸ばしている。もちろんCATV事業者も、パススルー方式への移行を急いではいるのだが、投資額が大きいために、思うように進んでいないのが現状だ。
そこで同社の提案は、既存STB「BD-V301」と、アイ・オー・データ機器の「HVL-AV 1.0」のパイオニア向け製品とを組み合わせて、STBで録りためたコンテンツを、各部屋で視聴しようというものだ。これならば、リアルタイム性はないものの、追加投資は最小限で済む。
STBメーカーのブースには、CATV事業者への提案という形でさまざまなアイデアを盛り込んだ試作品を参考出品しているケースが多い。製品化されるかどうかはCATVメーカーからの引き合い次第というものだ。
パイオニアのブースにも、そうした参考出品がいくつか並んでいるが、その中に今秋発売予定の製品も混じっていた。それがBDレコーダSTB「BD-V8700R」だ。同製品は500GBのHDDとBDドライブを内蔵したSTBだが、最大の特徴はトランスコーダーを2基搭載している点だ。これにより、2番組同時長時間フルハイビジョン録画、2番組録画中の高速ダビング、画質変換ダビング中の放送視聴などが可能になるという。同製品は、CATV事業者を通じて提供されることになる。
また、先に述べた、CATV事業者への提案にも興味深いものがいくつかあったので紹介しておこう。
まずはSSD搭載STBだ。STBは長期のリースになるケースも多く、故障率をいかに低減させるかが課題だが、同製品は、内蔵HDDをSSDに置き換えることで、機械的な稼動部分をなくし、故障率を低減さようという試みだ。また、SSDの省電力、低発熱という特徴もアピールポイントになるという。
次のNAS内蔵型STBも、STBの故障に対応する提案の1つだ。これは独立した小型のNASをSTBの筐体内に搭載したもの。しかし、なぜNASなのか。NASではなくリムーバブルHDDを搭載したほうがコスト面でも有利に思える。しかし、たとえばSTB本体が故障して交換になった場合、故障したSTBのHDDを新しいSTBに差し替えても、別ハードウェアでは再生できないようプロテクトがかかっているため、録りためておいたコンテンツを再生することができない。その点、独立したNASであれば、新しいSTBに差し替えても問題は起きないというわけだ。
この先もしばらくはSTB方式が主流となりそうなだけに、こうした提案がCATV事業者に、どのように受け入れられるのか、注目していきたい。
《竹内充彦》
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