KDDI研究所×NEC×三菱電機、大災害時にも通信可能な光ネットワーク制御技術の開発に成功
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これまでの光回線の設定は、光をいったん電気に変換した後、電気スイッチ(Time-divisionmultiplexingスイッチやIPルータなど)を介して行ってきたのに対して、このネットワークでは、電気スイッチを介さず“光のまま“回線設定を行うことが可能となる。これにより、電力、コストの低減も可能。今回、多重障害時でも自動的かつ高速に経路がある限り光回線の迂回を可能とする技術開発を行い、動作検証に成功した。
新技術では、複数の異なるシステムが相互接続された光ネットワークにおいて、障害が複数個所同時に生じても、運用者による作業を介さず自動的に装置が迂回経路を探索し、障害復旧できるようになる。そのため、ネットワークの耐障害性が従来の2倍以上に向上し、大規模な災害時においても安全安心なネットワーク基盤の実現が可能となるという。
この新技術はIETF(Internet Engineering Task Force)にて標準化が進められている波長ラベルに基づいたGMPLS(Generalized Multi-Protocol Label Switching)OSPF-TE(Open Shortest Path First - Traffic Engineering)拡張により、装置間で波長の利用可否を通知し利用可能な経路を自動探索する経路制御技術を確立。さらに光回線を高速に再設定する経路迂回技術、異なるシステム間(マルチベンダ間)や既存の光伝送システムと相互接続が可能な異種光ネットワーク制御技術で構成されたものとのこと。
なお今回の研究開発は、けいはんな情報通信オープンラボ研究推進協議会・新世代ネットワーク分科会・相互接続性検証ワーキンググループの枠組の下で実施。また、NECが開発した複数の障害を迂回する技術の一部には、情報通信研究機構(NICT)の委託研究「λユーティリティの研究開発」プロジェクトの成果が適用されている。
《冨岡晶》
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