また、これも世界初として、APS-Cサイズセンサーを用いたレンズ交換式カメラにおいて、光を通す透過ミラーを備えた「Translucent Mirror Technology(トランスルーセントミラー・テクノロジー)」を搭載。一眼レフで必要だったミラーの駆動をなくし、これによって、常時オートフォーカスセンサーとイメージセンサーに同時に光を当てることが可能になったという。
この技術により、上位機種の「α55」では秒間最高10コマの高速連写を実現した(下位の「α33」は最高で秒間7コマ)。また、動画の撮影中にTTL(スルーザレンズ)位相差検出方式AFが作動するAVCHDフルHD対応の「クイックAFフルHDムービー」を備え、動画撮影機能も強力なものとしている。
同日、同社は都内で発表会とメディア向けの内覧会を実施。先に発表会が行なわれた。
まずパーソナルイメージング&サウンド事業本部イメージング第3事業部長の勝本徹氏が、新開発の「Translucent Mirror Technology(トランスルーセントミラー・テクノロジー)」や高速連写機能、本モデルにおけるフルHDムービーの特性などを解説。コマ送りのように撮影される連写の様子や、手軽にボケ味を効かせることのできる動画機能などをビデオで示し、新型「α」の魅力を紹介した。
続いてソニーマーケティング デジタルイメージングマーケティング部の下野裕氏が壇上に上がり、デジタル一眼市場の動向や、プロモーションプランなどについて触れた。同社では、今年6月に発売を開始したミラーレスの小型一眼「NEX-5」のヒットにより、デジタル一眼市場における台数ベースシェアが上昇。それまで5%台だったシェアが一気に20%台まで伸長したという(同社調べによる)。
今回の「α」シリーズでは、ファミリー層にターゲットを絞り、高速連写によって、例えば子どもの決定的瞬間を逃さないというポイントをアピールしていきたい、とも語った。テレビCMも放映される予定で、キーワードは「はじけろ、こども!」とのことである。
同社では、先の「NEX-5」のヒットに加え、「α」発売日と同日の9月10日に世界初のレンズ交換式のビデオカメラ「NEX-VG10」を発売するなど、カメラ事業自体が活気に満ちている印象がある。その後の質疑応答で今後の事業展開について問われると「今回の製品投入でさらに市場を拡大していく。また、写真業界そのものも活性化していければ」との見解を述べた。
内覧会では、「α55」を用いて実際に秒間10コマの高速連写を体験。被写体は、室内でパフォーマンスしていたモトクロスバイクの少年たちだ。ダイヤル部分で連写モードに設定し、シャッターを押すだけで連写が可能となる。「タタタタタタタッ」という乾いた音は、映画で見るようなマシンガンの音を彷彿とさせる。
小型軽量化を図ったのも特長の1つで、さすがに小型一眼にはかなわないものの、従来のデジタル一眼レフと比較して十分にコンパクトなサイズだ。丸みを帯びたボディはいかつさがなく、女性でもしっくりとくるホールド感といえよう。バッテリとメモリーカードを含む重量は「α55」が約500g、「α33」が約492gだ。
レンズはAマウントに対応し、「過去のレンズ資産が活かせる点も大きい」(スタッフ談)。ボディ単体の予想売価は「α55」が90,000円前後、「α33」が75,000円前後。また「α55」のズームレンズキットは95,000円前後、「α33」のズームレンズキットは80,000円前後となっている。
