NHKと日立、動画電子透かしを埋め込むことができるトランスコーダーを共同開発
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「トランスコーダー」とは、映像を入力し、フォーマット変換などを行って特定目的の映像に変換出力するシステム。主に、HDTV(高精細度テレビジョン放送)の映像を低解像度のものに変換する用途などに用いられる。従来データ流出を防ぐため、データの識別情報を画像や文字として映像に上乗せ(スーパーインポーズ)するなどの対策が行われていたが、本来の映像に不要な情報を上乗せしなければならないという問題があった。
今回開発された新技術では、日立独自の電子透かし技術を導入することにより、知覚できない程度に画像を変更することで識別情報を動画ファイルに埋め込むことができる。またその情報は専用ソフトにより把握できるため、データ流出対策ともなる。電子透かし埋め込み情報量は64bit/1フレームで、入力:1440×1080・100Mbpsを出力:352×240・512kbpsに変換する場合、60分の映像データを約37分で変換可能(そのうち、電子透かし処理時間は約17%)。
今後、NHKと日立は、本トランスコーダーを活用して、映像データの効率的なセキュリティ管理を実現する放送映像のファイルベース化を進めていくとのこと。なお、本トランスコーダーの技術については、8月31日から愛媛大学にて開催される2010年映像メディア学会年次大会、9月7日からスペインで開催予定のコンピュータと人工知能に関する国際会議「International Symposium on Distributed Computing and Artificial Intelligence 2010(DCAI'10)」において発表される予定。
《冨岡晶》
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