【CEATEC JAPAN 2010(Vol.1)】商用化目前!NTTドコモのLTE”Xi”が見どころ
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同イベントの注目の1つがNTTドコモの新しい移動通信サービスである「LTE」(Long Term Evolution)に関する技術展示。LTEは、第4世代(4G)との架け橋となる高速移動通信サービス。この7月には「Xi」(クロッシィ)というブランド名が発表されたばかり。現在、今年12月に開始される商用サービスに向けて、さまざまな試験を実施しているところだ。
Xiは当初、需要が高い東名阪地域からサービスをスタートする。その後、地方都市にもエリアを広げていく予定だ。端末については、PCで使うデータ通信端末から提供し、2011年からは一般的な携帯電話(ハンドセット端末)の提供も始める。FOMAのエリアに重ねる形でXiのサービスを展開し、Xi端末はFOMAにも対応するため、もしXiのエリア外に移動してもFOMAがサービスとして使えるという。ユーザーの利便性を第一に考慮し、サービスの連続性を担保する方針だ。
さてXiには、どのような特徴があるのだろうか。「Xiは、これまでの携帯電話サービスの形を変えるようなワクワク感を与えてくれるサービスです」と語るのは、NTTドコモの中瀬直晃氏(経営企画部 経営企画担当主査)だ。Xiの特徴の筆頭としては、まず「高速化」が挙げられる。従来の3G(FOMAサービス)と比べて、データ伝送速度を大幅に向上。約10倍となる下り速度75Mpbs(一部主要屋内施設のみ、そのほかは37.5Mbps)を実現している。
また「ネットワーク遅延の最小化」により、レスポンスが要求されるようなアプリケーションにも対応できるという特徴もある。遅延時間はFOMAに比べて約4分の1に短縮された。「そのため対戦型アクションゲームなど、リアルタイム性が重要なコンテンツでも、携帯電話で違和感なく楽しめる」(中瀬氏)という。
3番目の特徴は「大容量化」にある。従来より周波数利用効率を高めたことで、データ量が増えても効率的に設備対応できるようになった。これらの技術により、インターネットから画像や動画などの大容量コンテンツをダウンロードできる。
またXiの名前の由来について中瀬氏は、「Xiの”X”は、”人、物、情報のつながり”や”無限の可能性”という意味。これに続く”i”という文字は、”イノベーション”や”私"を表します。つまり携帯電話が媒体となって、人、モノ、情報などの”何か”と”私自身”をつなぎ、”新しいイノベーション”を起こしてくれるもの」と説明する。
Xiの登場によって、「従来の携帯電話で実現してきたサービスを、より高度なものに進化させることができる」とNTTドコモは期待を寄せている。中瀬氏は、「Xiならば、これまで以上に快適に通信できるようになります。たとえば、いまは端末(携帯電話)で処理している様々なサービスをネットワーク側(サーバー側)に置いて高度化し、それがあたかも自分の手元で処理されたかのように感じられる、そういったサービス提供の可能性もでてきます。常にネットワークとつながっていて、自分に対して何かをしてくれる。そういう身近な存在になって欲しい」(中瀬氏)という。
中瀬氏は「Xi」について、サービス開始当初は速度が向上しただけに見えるかもしれないとしながらも、次のように述べた。「ドコモのHPでは、国際会議で同時翻訳するような未来像を紹介しています。ネットワーク側(サーバー側)に翻訳機能を持たせ、携帯電話の会話を読み取って自動翻訳しながら相手側に翻訳結果を送るというものです。また携帯電話のカメラを空間にかざして、その場所の過去の風景を見られる機能についても提案します。このようなサービスは、まだ現時点ではハードルが高いところがあるかもしれませんが、今後チャレンジしていきたいと考えています」。
今回のCEATEC JAPAN 2010での、出展ブースの内容についてだが、中瀬氏は「まずは最も分かりやすい部分で、Xiの高速性についてご紹介します。具体的に75Mbpsの速度を体感していただけるように、シミュレータを使って映画などの大容量コンテンツをダウンロードするデモンストレーションを行います」と述べた。さらに同社が描く、未来の携帯電話の利用イメージについても紹介する予定だ。
《井上猛雄》
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