KDDI研、自由なアングルで3D映像を視聴できるリアルタイム映像合成技術を開発
エンタープライズ
ソフトウェア・サービス
注目記事
-
【デスクツアー】真似したい自宅デスク環境一挙公開!
-
東芝、2Dから3Dへの変換機能付き3D対応など「dynabook」のA4ノートを3機種
-
【CEATEC JAPAN 2010(Vol.19):動画】NTTドコモブースで、触る3D技術など体験

昨今、家庭向け3Dテレビの商用化が進むとともに、カメラで撮影する位置に制限されない任意アングルでの映像視聴を実現する「自由視点合成技術」に期待が高まっている。今回発表された技術は、サッカーなどスタジアム規模の大空間で撮影した映像に対して、視聴者が選んだ自由なアングルからの3D映像を、リアルタイムで合成できるトータルシステム技術とのこと。スタジアムからのスポーツ中継において、実際にはカメラ設置が困難なフィールド内での視点、たとえばゴールキーパー視点など、さまざまなアングルからの3D映像を視聴することが可能だという。
KDDI研究所では、スタジアム映像に特徴的なフィールド境界など、背景画像の幾何情報の解析に基づく独自方式によって、映像合成に必要なカメラパラメータを自動的に導出し、さらにフィールド上の選手を適応的に集団化して扱うことで、その3次元位置を高速に推定する技術を開発した。これらの情報と、選手などの被写体を1枚の平面にみたて、実写データをその面に貼り付けることで表現する「ビルボード映像合成技術」を組み合わせることにより、リアルタイムに3D自由視点映像を合成することを可能とした。
また、このような大空間映像における選択アングルに応じた画像データの合成には、膨大な処理が必要となるため、リアルタイム化に向けた課題となっていた。本技術では、多視点または4K(HDTVの縦横2倍の解像度を有する高精細映像、4096画素×2160ライン)で撮影されたスタジアム映像コンテンツを蓄積し、視聴者が選択したアングルに応じて、低負荷な処理で高速にHDTV相当の画像の抽出・配信を行うサーバ技術も開発し、リアルタイム配信システムとして実現した。
今後、自由視点合成処理のさらなる軽量化を進め、STB(セットトップボックス)など家庭向け商用プラットフォームでの試作開発を経て、FTTHやCATVなどのブロードバンド回線を介したトライアルの実施を予定しているとのこと。
《池本淳》
特集
この記事の写真
/