水だけを飲むと悪化する!? 小児科医に聞いた脱水症の対処法……アイシェア調べ | RBB TODAY

水だけを飲むと悪化する!? 小児科医に聞いた脱水症の対処法……アイシェア調べ

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お子様が脱水症を起こしたのは何月ごろですか?(複数回答)
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 記録的な猛暑となった今年の夏。そんな中で脱水症に陥る人も多くでたが、はたして脱水症は夏だけの症状なのだろうか?脱水症は暑さのほかにも、発熱や下痢などによっても引き起こされることがあるようだが、それらの影響を受けやすい乳幼児の脱水症について、アイシェアが調査結果を発表した。10日に発表された同調査は、子供を持つ男女1,962名の回答を集計し、さらにその回答結果を小児科の医師に見せ、対処法などを探ったもの。

 今回同社が話しを聞いた社会医療法人雪の聖母会聖マリア病院の小児外科診療部長 鶴知光医師によると、脱水症とは単に水分がなくなった状態だけでなく、水分に加え塩分などの電解質が減少した状態だという。また脱水症が起こる原因として多いのは熱中症のような状態になる時だが、風邪・インフルエンザ・食中毒なども脱水症の原因になるそうだ。

 ちなみに子供が脱水症になったことがある265名に原因を聞いたところ、「風邪をひいた時」(52.8%)が最も多かった。また脱水症を起こした月は「2月」が最も多く、次いで「1月」(20.8%)、「8月」(20.4%)となったことから、意外にも乳幼児では暑さ以外の原因で脱水症になる場合が多いようだ。

 また同医師によると脱水症の見分け方は、皮膚や舌の乾燥、尿の量が少ない、目がくぼむなどがあるという。回答者による対処法としては、「ぬれタオルで冷やした」「頭に熱冷ましのシートを当てた」などがあげられたが、同医師によると、これらは熱中症や発熱自体の対処法で脱水症の対処法にはならないという。発熱がある場合は熱を下げる処置も必要だが、電解質を含む水分補給が最も重要になるという。

 さらに同医師は、「意外なようですが、脱水症は水だけを飲むと悪化します。急速に水分が体内に入ることにより、体液が一気に薄まり、その結果体液の浸透圧が急速に下がります。そうすると、体は浸透圧のバランスを取ろうと、補給した水を尿や汗として排出してしまうのが原因です」と語る。またスポーツドリンクは糖分を含むため、吸収が早いとはいえず、重度の場合はおすすめできないという。

 ではどのような水分が適しているのだろうか。同医師によると「脱水症の水分補給には“経口補水液(ORS)”が最適」とのことだ。経口補水液とは、水分と電解質をすばやく補給できるようにナトリウムやブドウ糖の濃度を調整した飲料のこと。従来購入には医師の処方箋が必要だったが、現在では市販品としてペットボトルで販売されているという。日本では消費者庁許可個別評価型病者用食品として、大塚製薬の製品が市販されている。脱水症が回復のきざしが見えるまで、少量の水分をこまめに与えると良いそうだ。

《RBB TODAY》

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