iPadがついにマルチタスクに対応!iOS4.2がリリース | RBB TODAY

iPadがついにマルチタスクに対応!iOS4.2がリリース

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マルチタスクに対応したiPad。4種類のアプリを実行中
マルチタスクに対応したiPad。4種類のアプリを実行中 全 12 枚
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 アップル・ジャパンは22日、iPad、iPhone、iPod touch用OSの新バージョンとして、iOS 4.2を発表。これにより、iPadがマルチタスクに対応した。

■iPadは99歳の女性でも親しみやすい端末

 iOS 4.2は、すでに今年9月1日のアップルのイベントで11月の投入を明言していた。最大のポイントは、iPadにおいてマルチタスク機能やフォルダー機能、メールのまとめ機能などが利用できるようになったこと。これまでiOS 4以上でiPhoneやiPod touchで利用可能だった便利な機能が、そのままiPadでも使えることになる。iTunes10.1と同期しながら、無料ダウンロードが可能だ。対応端末はiPad、iPhone 4/3GS/3G、第2~第4世代のiPod touch。

 発表に先駆け、米アップルからスコット・ブロドリック氏(プロダクトマーケティング担当)が来日。メディア関係者に対して説明を行なった。

 まず「iPadがいかに支持されているか」を力説。わずか8ヵ月前に発売されたiPadが、最初の6ヵ月で750万台のセールスをあげたことを述べ、「現在では我々の生活の中に溶け込んでいる」と語った。氏はiPadを手に、高精細なビジュアルで楽しめるゲームを皮切りとして、料理のレシピ、太陽系を学習するアプリなどを次々と紹介。そして次のような言葉でiPadの手軽さや容易さをまとめた。

 「タッチ操作ですから、2歳の子供でも楽しめるんです。印象深い逸話としては、99歳の女性がiPadに親しんでいるという話も聞きました。彼女にとってはこれが初めてさわったPCだったそうです」

■iOS 4.2の新機能により「生まれ変わったiPad」

 iPadでマルチタスクが行なえるようになったことで、その利便性はより広がる。これまではいちいちアプリを終了して別アプリを起動する繰り返しだったわけだが、意識することなくシームレスにアプリをどんどん立ち上げられるのは、iPadにとってさらなる武器となる。たとえばゲームを利用中にメールの確認やweb閲覧をしたい。このように、普段、我々がiPhoneやiPod touch(ただしiOS 4以上)などで行なっているプロセスが、ようやくiPadでも可能となった。

 通常、優先されないアプリはバックグラウンドで一時停止状態となるが、「Background Process」を用いることで、同時並行でのアプリ立ち上げも可能だ。例としてブロドリック氏が示したのが、「電子書籍を読みながら音楽を聴く」といったシーン。音量を変えたいときや巻き戻し、早送りをしたいときなどは下部に操作メニューを表示し、読書しながら調節ができる。「Background Process」は音楽以外に、GPS機能などにも適用されるという。

 9月の段階でお披露目された無線プリント機能「AirPrint」も実際にデモを行なった。「ただプリントするだけなんでね(苦笑)」(ブロドリック氏)とは言うものの、iPadの印刷メニューをタッチして、離れた場所に置いたプリンターから紙が吐き出されるさまを見ると、やはり便利な機能と感じる。専用紙を用いて写真プリントも披露。こちらは家庭内DPEとして、気軽に使えることだろう。

 一方でiPadのような先鋭的な端末でさえ、ペーパーレスと逆行する機能をわざわざ備えたことに、いまだに人々の「印刷物」に対する需要の大きさを感じた。ただし対応する無線LANプリンターは必須で、現在のところ日本HPの「HP Photosmart Premium C310c」「HP Photosmart Plus B210a」「HP ENVY100」などが対応をうたっている。

 Apple TVと連動した「AirPlay」も見逃せない新機能のひとつ。iPad内の写真、動画、音楽がApple TVを経由して大画面テレビに映し出されるもので、仕組みはリアルタイムのストリーミングだ。ブロードバンドの通信環境は必須となるが、写真の場合はiPadと大画面テレビ上で同時表示が可能。音楽をiPad側から流して、大画面上でスライドショーなども楽しめる。ただし動画は転送のみで、iPad側には表示されない。いろんなコンテンツをiPadに貯蔵し、家族や友人と共有したい場合は即座に大画面で対応できることから、ブロドリック氏は「年末のホリデーシーズンに向けての機能強化」と説明した。

 11月に入ってから、とくに日本ではApple TVでのiTunes経由の映画購入・レンタル解禁、今回の「AirPlay」連動など、「無線で大画面テレビを利用する」サービスがぞくぞくと始まっている。テレビは言うまでもなくリビングの太陽。その衛星としてiPadが機能する。iPadはまたもや「生活の中に溶け込む」進化を遂げたようである。

《小口》

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