2010年世界半導体市場の売り上げ、史上初めて3,000億ドルを超える見通し……ガートナー調べ
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2010年世界半導体売り上げは、前年比10%減となった2009年から719億ドル増加。これは半導体産業にとって、過去最高の増加になるという。成長率が30%を超えたのは、これまで1988年、1995年、2000年と3回あったが、2010年は長い間半導体産業の“ベンチマーク”とされた3,000億ドルを達成することになった。
各社のシェアを見ると、Intelは、14.2%から13.8%とわずかにマーケット・シェアを落としたものの、19年間連続で1位の座を確保した。2010年前半はPCの需要に支えられ、強い伸びを示した。しかし後半はPCの在庫調整とミニノートブックの不調により、伸びが鈍化した。Samsung Electronics、東芝、Texas Instrumentsは好調に推移し、前年の順位を保持する結果となった。Samsung Electronicsは売り上げの約80%を占めるDRAMとNANDフラッシュが好調。東芝はモバイル製品向けNANDフラッシュをはじめ、ディスクリート、ASICやASSP製品が売り上げを伸ばした。Texas Instrumentsは前年比35.2%の伸びを達成し、特にアナログ製品は41%以上の増加となった。
新たにトップ10入りを果たした企業は、5位のルネサス エレクトロニクスだ。ルネサス エレクトロニクスは、2010年4月にNECエレクトロニクスとルネサス テクノロジの合併により設立された新興会社。またMicron TechnologyがNumonyxを2010年4月に買収し、Numonyxの第2四半期から第4四半期の売り上げが併せて計上されるため、Micron Technologyも8位に浮上した。
ガートナーのリサーチ・ディレクター、ステファン・オー氏は「2010年は、不足した半導体在庫を補うためにシステム・メーカーが先を争って調達を行い、それによる繰り延べ需要によって市場が牽引されました。統合型デバイス・メーカー (IDM) もファンドリ・メーカーも、生産能力の増強に乗り出しました。しかし、第3四半期に入って需要が鈍化し、経済の悪化によって消費者のマインドも低下したことから、半導体の在庫が次第に膨らみました。ただ依然として半導体メーカーは受注残を抱えており、2010年通年では、これまでの半導体産業で最高の売り上げを記録することになりました」とのコメントを寄せている。
《冨岡晶》
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