【MWC 2011(Vol.25)】米マイクロソフト・バルマー氏基調講演、WP7の機能強化とノキア提携をアピール
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Ballmer氏は、同社の調査によればWindows Phone 7ユーザーの93%が搭載端末を購入して良かったと考えており、10人中9人のユーザーが周囲の人に対して購入を勧めたいと回答したと述べ、発売から間もないにかかわらず極めて高い顧客満足度を達成していることを強調した。
今回の基調講演では、今年中に行われるという機能のアップデート点が主に紹介された。既に販売されたWindows Phone 7端末には無償でアップデータが提供されるという。技術的に最も大きな機能強化となるのは、アプリのマルチタスキングだ。従来、マルチタスクに対応していたのはOS付属の一部機能などに限定されていたが、アップデート後にはネットラジオのアプリで音楽を聞きながらWebブラウジングするといった使い方も可能になる。
Webブラウザに関してもアップデートが行われる。PCのInternet Explorerでは現在バージョン9のRC版が提供されているが、これと共通のレンダリングコアを持つ「Internet Explorer 9 Mobile」が現在開発中という。最新のWeb標準への対応を強化したほか、Webページの描画にハードウェアアクセラレーションが作用するようになったため、HTML5の仕様を利用した複雑なアニメーションなどが、CPUリソースの限られるモバイル機器上でもスムーズに動作するようになる。
また、クラウドサービスに関する強化点としては、Windows Phone 7に搭載されているOfficeの機能にオンラインストレージ「Windows Live SkyDrive」のサポートが追加され、ローカルのファイルを開くのと同じ操作の流れでSkyDrive上のファイルを扱えるほか、他のSkyDriveユーザーとファイルを共有しての共同作業も可能となった。
そのほか、連絡先やメールなどを一括管理できる「people」ハブにTwitterクライアントが統合されるほか、Xbox 360の体感型コントローラー「Kinect」との連携例として、Windows Phone上のタッチ操作でボールを投げ、対戦者がそのボールを体の動きで避けるといったゲームのイメージビデオが上映された。
ビジネス戦略に関するのトピックとしては、Mobile World Congress開幕直前にノキアのWindows Phone 7採用がアナウンスされているが、今回の基調講演ではNokiaのCEO・Stephen Elop氏も壇上に招かれ、ソフトウェアと携帯電話端末とでそれぞれ世界最大の企業が提携することで、エンドユーザーに高い価値を提供できるとアピールした。
Elop氏は、ノキアが携帯電話市場で持つブランド力とグローバルな製品展開力、各国の携帯電話事業者との長年の関係、携帯電話向けのさまざまなサービスのノウハウなど、Nokiaがこの提携で提供できる強みは多岐にわたると述べ、巨大な開発者コミュニティを擁するMicrosoftのプラットフォームとの合流は「極めて自然」な選択であったと強調。ノキア製の機能強化とWindows Phone 7搭載機は年末までに発売される予定で、Ballmer氏は両社と携帯電話業界にとって2011年は重要かつ良い年になるであろうとのメッセージで講演を締めくくった。
《RBB TODAY》
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