【MWC 2011(Vol.44)】初出展のGoogleブースが大盛況……Android 3.0端末登場で増す存在感
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
同社はAppleなどと同じく、正式リリース前の事項についてはデモンストレーションや具体的なコメントを行わない傾向にあるため、展示内容にも特に未発表の製品やサービスは含まれていなかったが、初出展ながらブースは連日多くの人で大混雑だった。
今回は特に、コードネーム“Honeycomb(ハニカム)”ことAndroid 3.0が注目を集めた。Android 3.0自体は1月に米ラスベガスで開催されたCES(Consumer Electronics Show)で発表済みの製品だが、CESでは一部のカンファレンスでステージ発表が行われた程度で、端末メーカーのブースに実機が並ぶのは今回が初の機会となったためだ。「Motorola XOOM」「GALAXY Tab 10.1」「Optimus Pad」の動画記事でもわかる通り、Android 3.0ではタブレット型デバイス用にUI(ユーザーインタフェース)が大きく変更されている。従来のAndroidタブレットがいわばスマートフォンの画面拡大版にとどまっていたのに対し、Android 3.0はタブレットのために開発されたUIを持ち、ホーム画面のカスタマイズやマルチタスキング、GmailやカレンダーなどGoogleサービスを利用するためのアプリなどがより使いやすくなっている。
Schmidt氏の講演でも触れられた通り、スマートフォン向け、タブレット向けそれぞれのAndroid OSは次期バージョンで統合される見込み。基本的にアプリの互換性は保たれ、画面サイズの違いによりUIデザインが崩れる可能性はあるものの、従来のAndroidスマートフォン向けに開発されたアプリはタブレット向けAndroidでもそのまま動作するという。ただし、両者が統合される具体的なバージョンナンバーがいくつなのかについては、ブースのデモ担当者も情報を持ち合わせていないとのことで現時点では不明だ。
また、Google EarthやGoogle Booksなど既存Googleサービスの使い勝手が、タブレットによってさらに向上する様子も紹介された。スマートフォンと同様の直感的なタッチ操作がより広い画面で利用可能となり、GPSによる位置情報といったモバイル機器ならではの使い方も可能なのが特徴だ。ブースではそのほか、Android端末ベンダーやARM系プロセッサベンダー各社の担当者が常駐し問い合わせに答えたほか、アプリデベロッパー各社がデモを行った。
加えて、ブースの2階部分から1階部分へつながるチューブ状の滑り台(チューブから出てくる瞬間を撮影した写真がもらえる)があったり、Android各バージョンの開発コードネーム(“Gingerbread”など)にちなんだフレーバーのスムージーが振る舞われたり、Androidマスコットのロボットのグッズが配られたりと、テクノロジーには直接関係ない部分でも来場者を楽しませるアトラクションが充実していたのが特徴。Mobile World Congressは通信事業者や機器ベンダーを中心とした業界関係者向けのイベント(一般開放はされていない)であるため、コンシューマー向け製品が並ぶ見本市のような華々しさはこれまであまり感じられなかったが、Googleの参加によってイベント自体の雰囲気も大きく変わろうとしている。
《日高彰》
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