【GDC2011】今年のパブリッシャー/デベロッパーの採用動向をチェック(米国就職事情Vol.2)
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すでに全体の傾向については過去の記事で紹介されていますが、本講ではキャリアパビリオンに出展中のゲーム系・非ゲーム系9社に対して、インターンシップの有無、新卒・中途採用の採用枠について、より詳しくヒアリングしてみました。
なお、大前提としてアメリカには日本のような「新卒一括採用」という慣習がありません。ブースには「STUDENT」「PROFESSIONAL」という2コースがあり、前者は学生向けのインターンシップ。後者はいわゆる中途採用の意味です。
労働者の社会流動性が高く、社員の解雇も容易なアメリカでは、学生はインターンシップを通して経験や実力を磨き、社員にステップアップしていく例が一般的です。学生のうちから「PROFESSIONAL」枠での採用も不可能ではありませんが、中途採用者を押しのけるだけの実力が求められることは、言うまでもありません。
■ゲーム系
▽ソニー・コンピュータ・エンタテインメント・アメリカ:インターンシップ制度があり、去年と比べて20~30%採用者数を増やしたとのこと。中途採用枠も去年と比べて増えました。(http://us.playstation.com/)
▽マイクロソフト:インターンシップ制度がありますが、昨年との比較は不明。求職者との相談コーナーが設けられていましたが、求職者向けの小説明会が行われており、そちらに力を入れているような印象を受けました。(http://www.microsoft.com/)
▽ブリザード・エンターテイメント:世界最大級のMMORPG「ワールドオブウォークラフト」の開発で知られる同社は、GDCでの採用活動に例年積極的。インターンシップ制度もあり、今年の採用枠は過去最大。中途採用枠に関しては、毎年ばらつきがあるそうです。
ブリザードの特徴は履歴書だけでは落とさないこと。スタッフ曰く「求職者に会うまではどのような人であるかはわからない、会って初めて採用するかどうかを決定する」とのことです。このような傾向は他の企業でも見られました。(http://us.blizzard.com/en-us/)
▽Bethesda Softworks:インターンシップ制度はありますが、採用枠に大きな傾向は見られません。また、中途採用が年々増えているとのこと。(http://www.bethsoft.com/)
▽Disney Interactive Media Group:おなじみディズニーのオンラインゲーム部門です。インターンシップ制度があり、採用枠は新卒、中途採用共に毎年バラバラ。新卒、中途のどちらを重視するか質問したところ、「キャリアがあるかどうかで採用を決めない。どちらも平等に扱う」とのことでした。(http://corporate.disney.go.com/)
▽High Voltage:Wii向けFPS「CONDUIT2」(セガ)などの開発で知られる同社。インターンシップ制度はなく、履歴書のやりとりがEメールを通して行われます。同社では仕事の質を重視しており、新卒・中途採用に関係なく、公平に扱っていることを強調していました。採用枠に関しては変化無し。(http://www.high-voltage.com/)
▽Tencent Games:中国最大のインターネットサービス企業で、米オンラインゲーム開発会社ライオット・ゲームを買収した同社。詳細は不明ながら、新卒、中途採用の枠を拡大する方針とのことです。(http://www.tencent.com/)
■非ゲーム系
▽Bally Technologies:ビデオスロットマシンなどカジノ系マシンの製造販売を手がける同社では、インターンシップ制度を設置。ここで能力を買われれば正規社員として契約に進み、それ以外の学生は大学などに戻されます。今年の傾向としては新卒、中途採用共に採用枠は増えているそうです。(http://ballytech.com/)
▽Cubic Simulation Systems:Cubic Corporationの一部門で、軍事・民間向けに幅広くバーチャルトレーニングデバイス全般が専門。他の企業同様、新卒採用がインターンシップに組み込まれ、採用枠は増加傾向です。中途採用枠にはバラツキがあります。(http://www.cubic.com/)
ゲーム業界の人材が集まるGDCのキャリアパビリオンですが、以上のように非ゲーム系企業も求人ブースを設置している点が興味深いところです。おりしも今年のGDCのトレンドの一つは、ゲームのノウハウを実用領域に応用していく「ゲーミフィケーション」。ゲーム業界のタレントに業界外の企業が触手を伸ばし始めている様が伺えます。
《ひきちこうき@INSIDE》
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