【地震】被災後初めての原子炉建屋内画像
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
12人の東電とその協力会社社員によるパックボット2台を使った作業は、17日と18日の2日間に渡って実施された。パックボットは1台を測定専用として、遠隔操作の目となる部分は2台目のカメラが担う。遠隔操作は無線によるものだ。
3号機は不明だが、1号機は3月12日午前9時30分、2号機は3月14日の18時頃を最後に、原子炉建屋に人は入っていない。当然のことながら照明もなく、闇の世界だ。
タービン建屋から原子炉建屋に続く二重扉は、各号機で南北1か所ずつある。1号機の画像は北側から入った様子で、左側に映っている柱のようなものは分電盤だ。床にはガレキが落ちているが、それが地震や津波による被災か、水素爆発による事故かは今のところわかっていない。
2号機の撮影が不鮮明なのは、この原子炉建屋の湿度が異常に高いせいだ。パックボットが計測した2号機の温度は34度から41度、湿度は94~99%であった。
「曇ってしまってロボットが迷子になって、どこにいるかわらかなくなるのが危険で先へ進めなかった。曇りを解消しないと、奥へは行けない」(東電広報担当者)
4.6m四方ある2号機原子炉建屋だが、この湿気に阻まれて、調査は二重扉から3mほどの範囲で打ち切られている。
3号機は中の損壊が激しく、行く手を阻まれた。上からだと思われる落下物が床に散らばっている。広報担当者の説明によると、本来は左側の奥に制御棒の駆動機構のユニットが見えるはずだが、画像ではシートのようなものが覆い被さってその先がわからない。
「その先に光が見えるが、大物搬入口が開いて、外の光が入ってきている状況」(広報担当者)。当然、ここからも放射性物質が放出されている可能性がある。
3号機はガレキに阻まれて、パックボットは10mほどの範囲しか動くことができなかった。部分的だが二重扉から部屋の奥の壁付近40mまでたどり着けたのは1号機だけだった。
それでも、人が踏み込めず、まったく想像の世界でしかなかった場所の環境が、わずかでもわかったのは前進だ。「中の状況を少しでも把握したいということでいうと、奥に入れなかったのも2プラントがあるが、とりあえず初期の目的は達した」(同上)。
被災後初めての原子炉建屋内画像
《中島みなみ@レスポンス》
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