【Interop Tokyo 2011(Vol.20)】既存のIPv4環境をそのまま手軽にIPv6へ移行……富士通
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
SA46Tは、同社が開発したIPv6 Onlyのネットワークを経由してIPv4通信を可能にする自動トンネリング技術で、現在IETFに標準化の提案を行っている。
SA46Tの誕生は、IPv4アドレスが枯渇した後はどうなるかというところから始まった。IPv4からIPv6への移行シナリオは次のようなものだ。前期はIPv6 over IPv4を利用し、中期はIPv4とIPv6のデュアルスタック環境を利用する。そして後期であるインターネットのバックボーンがIPv6に移行した後は、IPv4 over IPv6を利用する。これによりIPv4で構築されたプライベートネットワークをIPv6ネットワーク上にスタックできるというわけだ。
SA46Tには設定数が少ない(拠点数Nに対してNの2乗でなくNで済む)、専用プロトコルを必要としない、SA46TのPlaneという概念を利用することで数十億個のIPv4プライベートネットワークをスタックすることができるなどの特徴を持っているという。企業内のLAN環境など、現在無数に構築されているIPv4プライベートネットワークが、そのままIPv6 Onlyのネットワークに接続でき、IPv4 Onlyに対応した機器類をそのまま継続利用できる。
そのSA46Tを実装した小型のアプライアンスが「ActiveAssist SA46T」だ(製造は富士通コンピュータテクノロジーズ)。同機のサイズは110mm×175mm×45mm(幅×奥行×高さ)とコンパクトで、運用ポートとして1000BASE-Tを2ポート、管理ポートとして100BASE-TXを1ポート搭載する。消費電力は15W以下だ。トンネリング時の転送能力は800Mbpsということなので、中小規模のプライベートネットワーク向けの製品である。2011年12月末の発売を予定しているという。SMBの企業内LANなどを、低コストでIPv6対応にしたい場合の選択肢として注目される。
《竹内充彦》
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