【インタビュー】「TG Ad for SmartPhone」の現状……国内初のiPhoneアドネットワーク提供のリンクシェア
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
「TG Ad for SmartPhone」のブランドで提供されるこれらのサービスでは、アプリ開発者はソフトウェア開発キット(SDK)をダウンロードし、アプリケーションに組み込むことで、アプリ内に広告枠を設置し収益を得ることができる。一方広告主は、iPhone/iPod touchアプリやAndroidアプリへの広告の出稿が可能となる。
従来アフィリエイトサービスを提供してきた同社だが、広告主のより細かいニーズに応えるための取組みの一環として、従来のアフィリエイトサービスに加え、アドネットワークの提供を開始したのだという。インキュベーション室 スマートフォン戦略 ストラテジスト 吉田悠紀氏は「広告主が求めるプロモーションが多様になってきており、新デバイスにはいち早く対応しようという考えがありました」と語る。
また吉田氏は、アドネットワークにおいては端末の普及台数=ユーザーへのリーチ数となるため、ユーザー数の増加が続くAndroid端末への対応は必然であったと語る。「TG Ad for iPhone/Android」の特徴としては、アプリ向け広告へのニーズが、ブラウザ向け広告に比べ圧倒的に高いことが挙げられるという。アプリ内広告は約9割以上を占めているようだ。インキュベーション室 スマートフォン戦略 プロジェクトマネージャー 杉村宏道氏は「我々のネットワークでは、広告は管理下に置かれたアプリに表示されます。他のサービスのように、個人ブログなどの想定外の場所に表示されることがないため、安心して利用できるという点を売りにしています」と語る。ちなみにすでに提供を開始して2年弱となる「TG Ad for iPhone」のクライアント層について、メディア開発第二グループ 青井和也氏は「サービス開始当初はほぼ個人だったものの、最近では法人クライアントの割合も3割程まで上がってきた」としている。
広告がクリックされた割合はCTR(Click Through Rate)という指標で表されるが、アプリ内広告のCTRについては、アプリによって1%以下~10%までバラツキが見られるという。画面をタップやスクロールして遊ぶゲームアプリなどは、CTRが上がる傾向があるという。アプリ内広告で訴求される商材としては、ゲームアプリをはじめスマートフォンサービスが多いという。スマートフォン上でスマートフォン向けのサービスを訴求するというのが現状のようだ。
同社のアドネットワーク事業に関しては、アドモブやアトランティス、ファンコミュニケーションズ、インモビなどが競合とみなされることが多いが、吉田氏は「スマートフォンのアドネットワークは競争が激化している状態です。クリック単価や、インプレッション単価(広告が1回表示されるごとの価格)など値下げ競争が始まっていて、媒体の取り合いが進んでいます」と語る。杉村氏は、「マーケティングで効果的なソリューションを提案していくという観点で勝負していくつもりです。システム開発コストの多さや、値引き合戦などの勝負にはしたくない」と語る。
また杉村氏は、広告のクリック率について、ユーザー動向に関する明確な傾向を示すデータを取得することは難しい場合が多いとしながらも、「広告のクリック率が、朝の通勤時は低く、夜の帰宅時には高くなるなどの傾向も出始めているので、今後はこういったデータも営業的に活かしていきます。またユーザー動向に関するデータは、近い将来システマチックにターゲティングに活かしていくこともあり得えます。今のサービスが最終形ではないので、現状にこだわらずサービスを提供していきます」と述べる。
《RBB TODAY》
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