フリースケール、駐車支援システムを低価格で実現するQorivvaマイクロコントローラ「MPC5604E」発表
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「MPC5604E」は、ADAS(先進ドライバ・アシスタンス・システム)市場を対象とした製品で、車両の周囲360度を表示するために高解像度の圧縮映像データをFast Ethernetを介して送信することが可能なマイクロコントローラだ。
従来のシステムでは、車内で映像の送信を行うには、1本あたり約10ドル(USD)の費用がかかるLVDS(Low-Voltage Differential Signaling)ケーブルが4~5本必要とされていた。Ethernetを介して映像信号を圧縮送信することで、LVDSのような高価で重いケーブルが不要になり、部品点数が削減できるという。これにより、従来は高級車にしか搭載されていなかったサラウンド・カメラ駐車支援システムが低価格で実現可能となる見込みだ。
「MPC5604E」は、車両の周囲に設置された複数のカメラの横に配置することで、CMOS画像センサとの直接的なインターフェースが可能となっている。取り込まれた映像データは、レイテンシが最も低いMotion JPEGで圧縮され、2線式Ethernetケーブルを通じて送信。また、AVBに準拠したハードウェア・アシスト・タイムスタンプ機能により、高精度なリアルタイム通信とカメラの同期も保証されている。シングルコアおよびマルチコアのマイクロコントローラ向けのAUTOSAR MCALドライバ・スイートおよびAUTOSARリアルタイム・オペレーティング・システムをはじめとする、ランタイム・ソフトウェアのフル・ソリューションが付属する。
フリースケールはすでに今年3月、ADAS向けのQorivva MPC567xKファミリと、車載エレクトロニクスに対する不正アクセスのセキュリティ・リスクを大幅に低減するQorivva MPC56xB/C/Dを発表済み。MPC5604Eファミリは、現在サンプル出荷中。
《冨岡晶》
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