富士通と京大、数式処理の世界記録を達成……「16次方程式」の判別式計算に成功
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方程式の判別式計算は、建築物から半導体にいたる「ものづくり」に関して、品質の向上や部材の削除、歩留まりの改善など、さまざまな課題解決に活用できる。江戸時代の和算家(数学者)である関孝和の業績にルーツがあり、建築物の強度をそのままに材料を削減することや、半導体の製造時の歩留まりを向上させることなどに、判別式計算は必要な技術とされている。
従来、コンピュータで計算可能な判別式計算は15次方程式までであり、複雑化・高機能化する「ものづくり」において、16次以上の方程式の判別式計算が求められていた。16次方程式の判別式は、37億9869万7446個の項からなり、その大きさは88ギガバイトにおよぶ非常に大きな式となる(15次方程式の判別式は、6億6331万6190個の項からなり、大きさは14ギガバイト)。
富士通は、サーバ『SPARC Enterprise M9000』とミドルウェア『Parallelnavi(パラレルナビ)』、および富士通研究所の数式処理技術を、京都大学学術情報メディアセンターに対して納入。『SPARC Enterprise M9000』は、1台あたりSPARC64プロセッサ(128CPUコア)および1テラバイトのメモリを搭載しており、大規模なメモリ空間を必要とする科学技術計算に対応したものとなっている。これにより、今回の計算に成功した。
《冨岡晶》
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