【WTP2011(Vol.11)】NTTが802.11acベースのマルチユーザーMIMO技術!3端末同時に120Mbpsの無線伝送を実現
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
NTTが開発したのは、2013年に実現予定の802.11acに対応したもので、マルチユーザーMIMO技術(空間分割多元接続)だ。従来の無線LANで複数の端末とやりとりする場合は、時間をずらしてパケットデータを送っていた。また、スマートフォンなどのユーザ端末では、サイズやコストの問題のために実装可能なアンテナ数が限定され、従来のMIMO技術では基地局側を高機能化しても、ユーザ端末のアンテナ数の限界によって達成できる伝送速度に限界があった。今後は、家庭内に無線で接続された家電などが多く登場してくることも考えられるが、同時に通信しながら親機の能力を最大限に活かすことができる技術が必要になってくる。マルチユーザーMIMOでは、送信側で電波の位相や振幅を調整することで干渉せずに複数の端末に対して同一時刻に通信が可能。ビームフォーミング技術のひとつである、ゼロフォーミングを使い品質を最大化している。これにより端末が増えても、1個あたりの端末のスループットは下がらず電波を無駄なく使える。
デモでは送信側として6本のアンテナを用意し、受信側に3本のアンテナ搭載の3端末を配置し、パラレルに伝送していた。その結果、実行速度で120Mbpsのスループットを各端末がはじきだしていた。
家庭内で端末が移動した場合にも有効なのだろうか?これに対して説明員は「まわりの人が動くだけでも電波の環境がかわる。そのための調整を自動的に行う仕組みが入っていて、親機から基準信号を出し、それがどう変化しているのかを端末側から上りの回線を使ってフィードバックしている。人間が動かすくらいのスピードだと追随できるが、セルラーのように新幹線などとなるとかなり厳しくなる。あくまで家庭内向けだ」と話す。
NTTで次の課題として取り組んでいるのが干渉制御技術。説明員によると、「これはIEEE802.11acよりも先の技術で、例えば隣の家で同じ電波を使っていると干渉してスループットが半分になってしまうが、これをうまく干渉しないように電波を送ってやることで、ホームネットワーク同士でも同時に利用が可能となる。現在研究しているところだ」とのこと。
《RBB TODAY》
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