同社の2011年上期の売上げは2億9300万ユーロ。前年同期比で24%増となった。安斎氏はこの結果について「お客様のなかには投資の凍結もみられたが、優先すべきであると考えるエリアと私どもの製品がきわめて合致していたのではないか」と分析した。
2011年下期のフォーカスポイントについて安斎社長は、二桁成長、HANAに代表されるインメモリコンピューティングやモビリティーなどイノベーション(チャレンジ)、顧客満足度向上、パートナー、ピープルを挙げた。特に強調されたのがインメモリソフト「HANA」だ。「今現在5社がアプライアンスを作っていただいている。ドイツでその認証を行っているが、リソースが間に合わないくらい要望をいただいている。ITをかなり変える技術だと思う」と話した。
ERPと新領域の割合は、第1四半期が終了した段階で60対40という割合になってきており、今後はもっと新領域の割合を高めていくとしている。記者からは日本のERP市場をどう見ているかとの質問がとんだが、「実はERP市場も伸びていて二桁成長している。ERPは操業のコアなので、このビジネスは今まで以上に力を入れていきたい。一時期、ERP市場は飽和したのではないかと言われたが、まだまだ伸びる。また、中堅企業の要望が非常に強くなってきているのは事実だ。中堅企業の場合はクラウドで使用したいという希望もあるので、メニューを広げていきたい。クラウドの企業のメニューにSAPのメニューを加えていただき、広げていきたいと考えている」と回答した。