「競争に勝ち残るにはスピードが重要」……J:COM&東急電鉄によるYCV買収発表会見
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――今回の買収がケーブルテレビ業界に与えるインパクトは?
【森社長】ケーブルテレビ業界は今まで地域ごとに分かれ、その名残でそれぞれが独自で事業を行っている。しかし、今や環境が大きく変わり、他のメディアとの大競争時代となっている。このなかで打ち勝っていくためには、ケーブルテレビ業界が一丸となって新しい付加価値を生み出していかなければいけない。YCVの買収をきかけとして、イッツコムとJ:COMの両方から智恵を出し合い、そこでお互いの成果を享受しあえるのではないかと思う。
――具体的な共同サービス体は?
【森社長】イッツコムとはVODの配信であるとか、デジタル配信などいろいろ協業している。また、イッツコムはホームセキュエイティーも提供しているし、さらに言えば東急電鉄が沿線の住民に様々なサービスをしている。そこを勉強していきたい。具体的な(サービス)はまだない。これからだ。
――買収後の社名、サービス名は?
【森社長】社名は横浜ケーブルビジョンで、(今までと)何も変わらない。サービスも現在のサービスは続けていく。
――単独では(買収は)絶対にできないものなのか?
【野本社長】色んなところが、(新規の展開を)待ってくれれば単独も可能かもしれないが、より早くサービスを構築することがケーブル業界では一番重要で、お客様にとっても早く豊かなサービスを享受できることにつながると思っている。また、(今回の買収のように)一緒に手を組むことがケーブル業界の発達にもつながってくると思っている。
――J:COMがパートナーになったのは、YCVが両方のケーブル局のエリアに挟まれているという地理的なものが大きいのか?また野元社長がケーブルテレビの社長を経験していて、パートナーシップがやりやすかったのか?
【野本社長】両方だ。今後は番組を供給し合うということも可能になる。YCVのエリアは東急沿線になっていくし、渋谷や二子玉川の情報がほしいという声もでている。そういう情報も多く流すことができる。
――相鉄は売り上げも立って利益も確保している。それでも売るという判断が出たのは何故か?
【野本社長】私どもの規模になると単体でもある程度の展開ができるが、顧客が少ない中で新しいサービスの開発を単独で行うのは厳しい。単独でやるサービスに限界を感じていたのかもしれない。
――サービスメニューは派遣になる取締役が考えるのか?それとも両社で委員会みたいなものを作るのか?
【野本社長】一緒に検討していく。現場を仕切る方がそれを具現化していく。
――将来的に、(YCVの)エリアが魅力的である点は?
【野本社長】2020年には私どもの東横線と相鉄本線が相互乗り入れになる。そうすると、相鉄線からも直通で渋谷に来ることができる。非常に利便性も増す。生活圏という視点から見ると、東京の方、都心の方に向いている形になっているので、J:COMと共同で会員獲得も期待できる。
――エリアは現状カバーできていると考えるか?それとも、これから拡大していくこといが必要と考えているか?
【野本社長】品川など沿線外では他のケーブル局があるが、これらとは一緒に番組を作ったり、様々なところで協力している。そこを買収することは、考えていない
《RBB TODAY》
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