Windows Phone 7.5の安全性を訴求しビジネスとの親和性を強調……マイクロソフト石川大路氏
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さらに、日本マイクロソフトのコミュニケーションズ・パートナー統括本部エグゼクティブ・プロダクトマネージャー石川大路氏によるセッションでは、「Windows Phone 7.5」を搭載したauのスマートフォン『Windows Phone IS12T』を用いて、Windows Phone 7.5 の機能デモを交え利用シーンなどが解説された。講演の主要な話題となったのは、(1)Windows Phone 7.5の機能概要、(2)ビジネス活用のポイント、(3)アプリケーションの開発環境の3点。
■ユーザー最優先の根本に立ち返る
まずWindows Phone 7.5の概要だが、その開発コンセプト立案にあたっては「デザインはユーザー最優先」。「根本に立ち返って、ユーザーが目的とする機能によりスムーズに、少ないステップでたどり着けるように、あらゆる面でユーザーの観点から作り変えられた」(石川氏)という。そのために考案されたUIの体系が「Metro Design」だ。
また、ソーシャルメディアとの連携についても意が払われ、「“Twitter”や“Facebook”といったソーシャルメディアとOSの統合により、人を中心としたコミュニケーションを可能にした」と解説した。
■法人利用を見越した高い堅牢性と安全性
ビジネス活用については、「端末側には“Office”や“Outlook”といったアプリが標準搭載されているので、いつでもドキュメントを共有したり編集が可能。まあ、企業で使うシステムに繋げる場合にもExchangeの活用で、柔軟性とセキュリティが担保されている」と、ビジネスでWindows Phoneを使うメリットを紹介した。
また、セキュリティの言及については講演でも詳しく紹介された。たとえば、Windows Phone 7シリーズではSDカードを外部ストレージとしては利用できないが、システム用のストレージとして利用することは可能だ。この場合、SDカードの抜き差しによってセキュリティに問題が発生するが、Windows Phone 7.5では内蔵のフラッシュもSDカードも単一のパーティションとして扱うことでSDカード経由でのデータコピーを不可能にしている。そのため、空のSDスロットにカードを差した場合はそのままでは利用できず、ファクトリーリセットをおこなう必要がある。また、PCとの接続時でも特定のフォルダとの同期はできるが、(Widows Mobile 6.X)のように端末側のファイルシステムにアクセスできない仕様としている。
マルウェア保護に関しても、「アプリからはOSネイティブなAPIにアクセスできない仕様となっている。また、全てのアプリはマイクロソフトのMarket Place経由での配布が義務づけられており、配布に当たっては申請と審査を必要としている。ブラウザもOSに影響を与えない権限で動いている」と説明。とくにセキュリティ面での不安の声があるAndroidを意識した内容で、法人用途に要求されるセキュリティ対策の一例を示した。
■ソフト/ハード両面のベンダーにも配慮した開発環境
開発プラットフォームについては、「“よりリッチなアプリを簡単に”を重視」したとのことで、これまでPC向けアプリケーションに慣れ親しんでいたエンジニアでも、「(統合開発環境の)Visual Studioを始めとして、それと全く同じようなツールを使うことでWindows Phoneのアプリを開発できる。アプリケーションとUIの開発ロジックは分かれているので、プログラマの得意分野に応じた分業が可能」という。
「Silverlight」を基本に、ゲームなどでは(Xboxの開発環境である)「XNA」が利用でき、アプリの開発側にも大きな配慮がなされている点も特徴として挙げられた。またハードウェアについては、よりスピーディな市場化を可能にするため、「シャーシモデル」を採用。これは「マイクロソフトがある程度ハードウェアのスペック等を規定することにより、以前のバージョンと比べ、ソフトからハードまで1社開発のようなパフォーマンスを発揮する」(石川氏)というものだ。
アプリの配布については、いわゆる期間限定で利用できる「お試し版」と正規版をひとつのアプリとしてまとめられるトライアルAPIを採用。アプリ代金の支払いが認められた際に利用のロックを外すような仕組みを備えることで、開発者がトライアル版と正規版を作り変える手間を省くなど、サービスとセキュリティのレベルを保ちつつ参入障壁を低める努力がなされていることが伺える。
同コンファレンス会場でも、早速、Windows Phone の法人向けサービスを紹介するコーナーが設けられ、ナビゲーションサービスを提供するナビタイムジャパンによる、交通費の清算業務を効率化する法人向けサービス『ビジネスナビタイム』などが出品されていた。
《編集部》
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