【CEATEC 2011(Vol.24)】パナソニックがEVソリューションを披露、ただし「自社でEVはつくらない」
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
ここに1台の電気自動車(EV)モックが置かれていた。同社が家電で培った省エネ・創エネ・蓄エネ技術を応用してEV開発をサポートする提案だ。「熱システム」「電源システム」「電池システム」の3つの大分類に分けたソリューションが展示されている。
熱システムは、エアコン(特に暖房)の高効率化・省電力化を目指すもので従来の電熱線ヒーターにかわり、「エコキュート」や家電エアコン、床暖房の技術を応用し大気中の熱を活用するヒートポンプシステムを紹介。電源システムは、電子レンジやIHクッキングヒーターのように大きな電力を効率的に直流変換する技術や高い安全性を持つ充電器などを展示した。そして電池システムはノートPC向けに用いられている高容量のリチウムイオン電池や安全性・安定性の高いセル/モジュールの仕組みなどを提案。
「熱」「電源」「電池」はいずれもEVの中核を成す技術であり、これらの要素を集積すればパナソニックがEVメーカーになれるのでは、と言う疑問を説明員にぶつけると「当社ではEVをつくらない」ときっぱり。「当社は、カーメーカーがEVを開発・製造するに当たって電気・電源関連の分野でお悩みの部分を解決する役目、パートナーに徹している。また、車両となると実際の走らせた場合にどう制御するかという部分が重要で、そこはカーメーカーのノウハウ。当社がそう簡単に参入できる部分ではない」と説明する。
ただし、EVの開発に当たって同社が関わる部分が増えることは明白で、提案事態は積極的におこなっているとのこと。「特定のカーメーカーと結びついているわけではなく、メーカーの要望に応じて、カスタマイズにも対応する。電源も熱も電池も個々に優れた技術を導入すればいいものではなく、それぞれが密接に結びついている。電気をトータルに手がける当社の強みが活かせるのではないか」と述べた。
《北島友和》
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